積水ハウス大工選手権大会WAZA2025、技の祭典が大阪で開催
2025年11月9日、インテックス大阪にて「積水ハウス大工選手権大会 WAZA 2025」が開催されました。この大会は、全国の約5,000人の積水ハウス会に所属する大工たちが集まり、彼らの技術と情熱を発揮する舞台です。大会の目的は、大工の仕事の魅力を広く知ってもらうことと共に、次世代や世界に向けた技術の発信です。
今回で3回目を迎える本大会には、マスタークラスと35歳以下のU35クラスから各13人の計26人が出場しました。競技内容は年々進化し、昨年以上に高度な技術が求められるようになりました。出場選手は、切磋琢磨しながら技術を磨き、参加者同士が互いに刺激を与え合う姿が見受けられました。
大会では、初の試みとして「大工スタイルファッションショー」が開催されました。出場選手とその子どもたちが、江戸時代から現代の大工スタイルを再現した衣装を身にまとい、観客を楽しませました。このイベントは大工の仕事の歴史的背景を感じさせるものであり、子どもたちにとっては大工の魅力を体感する貴重な機会となりました。
また、大会後半には、海外からの視察も行われ、アメリカの住宅子会社の方々が参加。選手たちやその家族にとって、高度な技術を証明する場ともなりました。これにより、積水ハウスのグローバルビジョンがますます広がっていくことが期待されます。
開会の挨拶
大会の開会式では、積水ハウス株式会社の仲井嘉浩CEOが挨拶を行い、全国から参加した選手やその家族に感謝の意を表しました。仲井氏は、積水ハウスの強みが施工力や技術力、顧客基盤であると説明し、それらを支える大工たちの重要性を強調しました。また、労働力不足の問題に対しても、自社の大工たちがその懸念を打破していることを伝えました。
優勝者のコメント
本大会は、スキルを競うだけでなく、互いに刺激を受け合う場でもあります。マスタークラスの優勝者、井上吉丈さんは、34年間のキャリアの中でこの大会に参加し、感謝の気持ちを込めて受賞の喜びを語りました。井上さんは、自身の若い従業員たちにこの大会の価値を伝え、次世代の育成に力を入れたいと話しました。
一方、U35クラスの優勝者である岩本夏樹さんは、所属する工務店の全力のサポートが大きな励みになったと語り、両親への感謝の想いを述べました。また、彼は大工という仕事の面白さややりがいを強調し、更なるスキルアップを目指す意欲を示しました。
競技内容
競技は、特に実務的な側面が重視されています。競技エリアは、実際の量産住宅に使われる3.5m四方のスペースで、10段階の作業工程からなります。選手たちは、壁の設置やアーチ型の出入り枠、床組みまで行い、70~80項目に渡る評価基準に基づき審査されます。
このように、積水ハウス大工選手権大会 WAZA 2025は、技術競争だけでなく、次世代を育てるための重要な場としても大きな意義を持っていることが明らかです。未来の大工たちの成長と、日本の住宅業界のさらなる発展が期待される大会です。