自動運転技術の新局面
2024年12月17日、MCデジタル・リアルティ株式会社がチューリング株式会社と提携し、完全自動運転AI開発用の高性能データセンター「Gaggle Cluster」の構築を発表しました。両社は、東京の市街地での完全自動運転を実現するプロジェクト「Tokyo30」に向けて、重要な一歩を踏み出しました。
チューリングと自動運転技術
チューリング株式会社は、カメラデータを活用したAIによる自動運転システムの開発に注力しており、特にE2E(End to End)システムにおいては、ステアリングやブレーキなど全ての運転判断をAIが行います。将来的には、2030年までに完全自動運転車の実現を目指しています。
Gaggle Clusterの概要
開発にあたってチューリングは、96基のNVIDIA H100 GPUを搭載した計算基盤「Gaggle Cluster」をNRT10データセンター(千葉県印西市)に構築しました。この施設は、NVIDIAのDGX-ready認証を受け、消費電力の高いGPUに特化した電力供給と冷却設備を完備しています。これにより、AI開発の効率が大幅に向上しました。
高密度コロケーションサービスの利用
MCデジタル・リアルティの提供する高密度コロケーションサービスにより、Gaggle Clusterは通常のデータセンターの約20ラック分のスペースを対照的に8ラックに圧縮できました。この効率化は、限られたリソースを最大限に活用し、開発環境を迅速に拡張することができます。
短期間での開発環境構築
MCデジタル・リアルティのデータセンターを利用することで、チューリングは、独自のオンプレミス環境を構築する場合に比べ、環境の立ち上げから運用開始までの期間を約1年からわずか3ヶ月に短縮しました。この短期集中型の環境構築は、AI開発の迅速な進展を可能にしています。
業界の期待と今後の展望
チューリングのCTO、山口祐氏は、「今回のデータセンター利用で、計算資源を早期に確保できたことで、AI開発の加速が実現した」と語ります。また、MCデジタル・リアルティの代表取締役社長、畠山孝成氏も「チューリングの自動運転研究にITインフラから貢献できることを嬉しく思う」と述べ、今後の展開に期待を寄せています。
MCデジタル・リアルティの取り組み
MCデジタル・リアルティは、三菱商事と米国Digital Realtyの合弁企業で、国内におけるデータセンターサービスを展開しています。高品質なITインフラを構築することにより、クライアントのビジネスとイノベーションに寄与しています。
まとめ
自動運転技術の進展は、将来的なモビリティの在り方を変える可能性があります。その中で、MCデジタル・リアルティとチューリングの連携は、業界における大きなインパクトをもたらすでしょう。今後の動向に注目が集まります。