インダストリアルセクターが地域投資市場の牽引役に
2025年第1四半期のアジア太平洋地域におけるキャップレートレポートが、コリアーズ・インターナショナル・ジャパン株式会社から発表されました。今回のレポートでは、インダストリアルセクターが地域の投資市場において重要な役割を果たしていることが明らかになりました。
アジア太平洋地域の動向
このレポートによると、アジア太平洋地域の19の主要市場の内、約12市場でキャップレートは安定して推移しています。セクター全体としては、インダストリアルが最も変動が激しく、供給過剰の傾向が見られる一方で、堅調なファンダメンタルズや業界のイノベーションが成長を支えています。
不透明な経済環境にもかかわらず、地域の投資市場では、慎重ながらもリスクが低い資産を選好する傾向が続いています。実際、世界的な関税政策や金利引き下げに関する不確実性が高まる中で、投資家は引き続き戦略的なアプローチを必要としています。
各国の状況
オーストラリア
オーストラリアでは、オフィスとインダストリアルセクターのキャップレートは緩やかに変わっていますが、市場の活動は依然低調です。
中国
中国においては、資産運用会社による不良資産ポートフォリオの売却が進み、その結果市場での投資機会が増加しています。早期の反応も好調です。
香港
香港では、空室率の上昇と資金流入の慎重さがオフィスとインダストリアルセクターに影響しています。
インド
インドでは、ベンガルールとムンバイにおいてリース活動が活発ですが、どちらのセクターも安定したキャップレートを示しています。
インドネシア
インドネシアのジャカルタでは、インダストリアルセクターのキャップレートが著しく低下しました。この背景には、投資家の高まる需要やeコマースの成長などが挙げられます。
日本・台湾
東京と台北の市場は堅調に推移しており、キャップレートの変動もほぼ見られません。
ニュージーランド
ニュージーランドでは、利下げが行われているものの、キャップレートの具体的な変化はまだ見られません。
フィリピン
フィリピンのマニラでは、安定したオフィス資本価値と需求の高まりが報告されていますが、新規供給が市場に入ると共に空室の増加が予測されます。
シンガポール
シンガポールは安定した投資環境で、キャップレートの変動が少ない状況が続いています。
韓国
韓国ではソウルのオフィス市場が安定しており、インダストリアルセクターも回復の兆しを見せています。特に物流セクターへの外国投資が活発です。
タイ
バンコクでは、電気自動車や物流、データセンターがインダストリアルセクターの活動を牽引しています。
結論
コリアーズの調査結果は、オフィスセクターが重要な転換期を迎えていることを示しています。リテールセクターは地域特有の強みを活かし、自己の価値の再定義に取り組んでいます。詳細については、コリアーズのウェブサイトを訪れてご確認ください。
コリアーズ・ジャパン