ウクライナ農地再生
2025-12-01 11:38:07

東京農業大学とWAKU、ウクライナ農地再生を目指す共同研究開始

共同研究の開始



東京農業大学(東京都世田谷区)と株式会社WAKU(岡山県岡山市)は、ウクライナの農地再生に向けた画期的な共同研究を始めました。この研究は、国際連合工業開発機関が推進するプロジェクトの一環であり、日本企業の技術を通じてウクライナのグリーン産業復興を図ることを目的としています。

研究の背景



ウクライナは2022年の戦争によって農地の生産性が著しく低下しています。特に、砲弾や軍用車両による重金属汚染が進行しており、この問題の解決が急務です。その解決策として、重金属に対応する天然アミノ酸化合物「グルタチオン」が注目されています。グルタチオンは、植物のストレスへの対処能力を高めると同時に、重金属の吸収を調整できる特性があるため、ウクライナの農業再生に貢献することが期待されています。

研究の具体的内容



東京農業大学とWAKUの共同研究では、以下のような重要な研究課題に取り組みます。

1. 重金属動態解析
グルタチオン施用時の植物体内におけるカドミウムや亜鉛の動態を分析し、植物による浄化の可能性を判断します。

2. 遺伝子発現解析
RNA-seqを用いてグルタチオン応答性遺伝子を特定し、植物内の解毒メカニズムを分子レベルで解明します。

3. 浄化手法の設計
研究から得た知見に基づき、ウクライナ特有の重金属汚染に適した植物種と施用条件を提案します。

今後の展望



本共同研究での成果は、2026年以降にウクライナ国内で行われるパイロット栽培試験に活かされる予定です。東京農業大学が行う基礎研究の結果に基づき、WAKUはウクライナの生産法人や研究機関、行政と連携して、グルタチオンを用いた農地再生モデルを構築していきます。

将来的には、ウクライナでの成果を基にポーランドやルーマニアなどにも技術を展開し、欧州全体での「グリーンリカバリー」の中心技術となることが期待されています。また、重金属汚染は東欧に限らず、アジアやアフリカなどでも共通の課題であるため、グルタチオンによる浄化技術は次世代環境農学のモデルケースとして注目されるでしょう。

会社紹介



株式会社WAKUは、グルタチオンを活用したバイオスティミュラント及び肥料の研究開発を行っており、2022年に設立されました。岡山県岡山市に位置し、農業の持続可能な発展に向けた取り組みを続けています。

公式ウェブサイト: WAKU

お問い合わせ



東京農業大学および株式会社WAKUでは、この共同研究に関する情報提供や問い合わせを受け付けています。詳細な情報や質問がある場合は、各社の連絡先までご連絡ください。

会社情報

会社名
学校法人東京農大
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