博報堂生活総研の「生活DX」調査の概要
博報堂生活総合研究所、通称生活総研は、2025年3月に日本全国の15歳から69歳の男女を対象に、生活全般のデジタル化度合いを測るための第2回「生活DX定点」調査を実施しました。この調査の目的は、急速に進化するデジタルツールやサービスが私たちの生活にどのように影響を及ぼしているのかを明らかにすることです。調査の結果、デジタル化が進む中での生活者の意識変化や、生活のさまざまなシチュエーションにおけるデジタル行動が見えてきました。
オンラインでの生活シチュエーションの実態
調査結果によると、「授業参観」や「ご祝儀の受け渡し」、「退職願」、「就職面接」などのシチュエーションにおいて、4割以上の人が「オンラインでも構わない」と回答しました。特に、10代から20代の若者においては、「授業参観」や「就職面接」において、この割合が50%を超えるという結果となり、デジタルコミュニケーションへの抵抗感が少ないことが浮き彫りになりました。
一方で、「結婚のプロポーズ」や「デート」といった恋愛の場面では、全世代ともにオンラインでの実施に対する肯定的な反応はまだ少なく、伝統的な対面でのコミュニケーションが優先されている様子が見受けられます。こうした調査結果は、世代間での価値観の違いを鮮明に示しています。
デジタル化がもたらす内面の変化
この調査は、生活者がデジタル化の影響をどのように感じているのかについても触れています。例えば、「情報感度が上がった」人は3割を超え、趣味や新たな興味を持つようになったと感じている人も多いようです。しかし、同時に「ストレスが増えた」という回答が、「ストレスが減った」を5.8ポイント上回りました。デジタル化が生活に与える恩恵と負担感が共存していることを示唆しています。
さらに、自己肯定感や人間関係に関する評価は賛否が分かれ、人による影響の現れ方にばらつきが見られました。これにより、デジタル化が個々の生活にどのように作用しているのかは一概には言えないという複雑さが浮かび上がります。
調査の概要と方法
第2回「生活DX定点」調査は、全国8エリアにおける人口構成比に基づき、男女合わせて5,000人を対象に実施されました。調査は主にインターネットを通じて行われ、2025年3月3日から5日にかけて実施されました。調査内容の詳細は、生活総研が公開しているPDFで確認できます。
このようにデジタル化が進む現在、私たちの生活や価値観にも変化が訪れています。今後も生活総研の調査に注目し、デジタル化がもたらす影響をしっかりと捉えていくことが大切です。