STマイクロエレクトロニクスが新たな32bitマイコンを発表
STマイクロエレクトロニクス(ST)は、超低コストの汎用32bitマイコン「STM32C0シリーズ」に新製品、STM32C071を追加しました。この新型マイコンは、従来の製品に比べて大容量メモリと新機能を搭載しており、コストを意識した組み込みアプリケーションに最適です。
STM32C071の主な特徴
STM32C071は、128KBのFlashメモリと24KBのRAMを装備しており、USBホスト機能や水晶発振子レス操作をサポートしています。これにより、部品点数の削減が可能になり、基板設計もシンプルになります。電源ペアが1つしかない設計により、スタイリッシュでコンパクトなシステムを作り上げることができます。
このマイコンは、Arm® Cortex®-M0+コアを搭載しており、一般的な生活家電から簡単な産業用コントローラ、IoT機器、電動工具まで、従来の8bit・16bitマイコンからの置き換えに適しています。コストパフォーマンスが高い32bitマイコンとして、優れた性能と機能を提供します。
開発支援とエコシステム
また、STM32C0シリーズは、さまざまな開発ツールや評価用ハードウェアで構成される強力な開発エコシステムに対応しており、開発者は迅速かつ効率的にプロジェクトを進めることが可能です。しかし、開発者同士のコミュニケーションも重要で、STM32ユーザコミュニティを通じて情報共有が活発に行われています。
新たに加わったSTM32C071は、組み込みGUI開発ツール「TouchGFX」にも対応しています。これにより、グラフィックやアニメーション、タッチによるユーザー体験の向上が容易になります。
既存企業の活用事例
STのパートナー企業である中国のTeam Source Display(TSD)社とポーランドのRiverdi社は、早速STM32C071を利用したプロジェクトを進行中です。TSD社では、240x240解像度のノブ型ディスプレイモジュールを開発し、Roger L.J氏は「コストパフォーマンスが高く、開発者に優しい製品だ」と評価しています。
Riverdi社のKamil Kozłowski氏も、STM32C071のシンプルさと低コストが、自社の1.54インチLCDモジュールにどのように寄与するかに期待を寄せています。これらの企業は、STM32 NUCLEO-C071RB開発ボードとの相互接続を考慮した製品設計を行っています。
価格と供給
現在、STM32C071は量産中で、1000個単位の購入時にはTSSOP20パッケージで約0.53ドル、LQFP64パッケージで約0.73ドルという価格が設定されています。さらに、STはこの製品に対して最長10年間の供給保証を提供し、長期にわたる製造とフィールドメンテナンスの対応も行います。
STマイクロエレクトロニクスは、革新的な半導体ソリューションを提供し、持続可能な社会の実現に向けた取り組みを推進しています。詳しくは公式ウェブサイトでご確認ください。