三菱電機がオープンソースエコシステムでの役割を拡大
2025年12月8日、東京で開催されたOpen Source Summit Japanにて、三菱電機がLinux Foundationのゴールドメンバーへの昇格を発表しました。この重要なステップは、同社のオープンソースおよびインナーソースへの本格的な取り組みを示し、イノベーションを推進するための新たな基盤を築くものです。
ゴールドメンバーシップの意義
Linux Foundationは、オープンソースソフトウェアに関する国際的な非営利団体であり、多数の重要なプロジェクトを支援しています。三菱電機がゴールドメンバーになることは、同社がこのエコシステム内での連携を深める意向を強く示すものであり、特にエッジコンピューティングや製造業界における実績を強化することを目指しています。
三菱電機のエンジニアたちは、すでにPyTorchをはじめとする主要なプロジェクトに貢献しており、これまでの経験と知識をもとに、新たな価値提供を目論んでいます。
Jim Zemlin氏の期待
Linux Foundationのエグゼクティブ ディレクターであるJim Zemlin氏は、三菱電機の加盟について「非常に嬉しく思っています。エッジから自動車、セキュリティ、製造業に至るまで、全ての産業において同社の存在は、ソフトウェア開発の協力の重要性を教えてくれます」と語っています。また、三菱電機が日本国内のみならず、グローバルにおいてもオープンソースの取り組みを強化したいと希望していることが強調されました。
独自のプロジェクトと今後の展望
三菱電機は、社内開発にもオープンソースのベストプラクティスを取り入れる努力をしています。2024年11月には、UI/UXデザイン・開発フレームワーク「Serendie® Design System」を発表し、デザインと開発の共創を行いながら、さらなるオープンソースの普及を目指します。
また、今年新設された「オープンソース&インナーソース共創推進部」は、社内の開発文化を変革し、新しい価値を生むための重要な役割を担っています。これにより、組織間のサイロを越えた協力が進むことでしょう。
三菱電機の過去の成功と未来への期待
三菱電機は、2014年よりLinux Foundationのメンバーとして活動し続けており、先日もその活動が評価されて複数の貢献者賞にノミネートされています。特に、平森将裕氏が2025年にはPyTorch Ambassadorsに選出される見込みで、同社のエンジニアの熱心な活動が広く認知されることになりました。
Open Source Summit Japanでの発表
三菱電機はOpen Source Summit Japanにおいて、オープンソースイノベーションへの貢献を発表するとともに、日本のコングロマリッド企業で実現する開かれたOSPOの構築についても講演を行います。この機会に、オープンソースがもたらす価値や企業の文化を学ぶことができる貴重な機会です。
日本の企業や開発者にとって、オープンソースの実践は、今後の成長やイノベーションの鍵となるでしょう。三菱電機の新たな一歩が、その道筋を照らすことでしょう。
まとめ
三菱電機がLinux Foundationのゴールドメンバーとして加盟することは、オープンソースへの強いコミットメントを示しています。今後の取り組みが、同社の技術革新や産業全体に対する影響を楽しみにしながら、業界の最前線で活躍する様子を見守りたいと思います。