日華化学の快挙
日華化学は、毎年4月18日の「発明の日」に合わせて贈られる知財功労賞で、特許庁長官表彰を受けました。この賞は、知的財産権の発展や普及に貢献した個人や企業を称えるもので、日華化学はその活用法において特に高く評価されています。
知財ポートフォリオの構築
同社は、国内外の顧客が自社技術を安心して利用できるよう、特許や商標を各地域で広く出願しています。特に「グローバルニッチカンパニー」としての位置付けを持ち、60の応用分野に向けて、少量多品種の戦略をとることで、事業、研究、知財の三位一体の連携を進めています。その成果として、特許リエゾンを14名任命し、研究員とのコミュニケーションを促進しています。加えて、知財部門には専門の市場調査および技術調査要員が配置され、迅速な事業戦略の立案をサポートしています。
新たなビジネス創出
日華化学は、知財を活用したビジネスの創出にも力を入れています。例えば、ポリエステル繊維から水を使わずに染料を除去する「ネオクロマト加工」においては、薬剤販売では実現が難しかった収益化が特許権のライセンスによって達成されました。この技術は、「製品を売るにあらずして技術を売る」という企業理念を具現化したものです。また、非フッ素系撥水剤「ネオシード」の開発では、競合に先駆けて知財権を取得することで、世界中で高い市場シェアを得ることができました。
イノベーションセンターの設立
さらに、日華化学は「NICCA イノベーションセンター」を設立し、オープンイノベーションの場として機能させています。このセンターでは、同業種間や異業種間の協業、さらに産学官連携も推進されており、社内外のメンバーが自由に交流できる環境が整備されています。これにより、革新的なアイデアや意見交換が行われる土壌が築かれています。
持続可能な社会の実現に向けて
日華化学は、今後も知的財産権を活用しながら、革新的な技術とビジネスの創出を通じて持続可能な社会の実現に貢献していく計画です。イノベーションを基盤に、新たな価値を創出し続ける日華化学の取り組みは、今後の動向に注目が集まります。