VisaがM7世界選手権と提携し、デジタル経済を進化させる
2025年11月、シンガポールで世界的なデジタル決済企業Visaが、人気モバイルeスポーツ「モバイルレジェンド:Bang Bang」(以下モバレ)の国際大会「M7世界選手権」との提携を発表しました。この提携は、Visaがエンターテインメント分野に本格的に参入する初めての試みであり、デジタル経済圏の広がりに大きな期待が寄せられています。
モバレは、月間アクティブユーザーが1億1,000万人、累計ダウンロード数は15億を超えるなど、その人気の高さを誇ります。2024年には、eスポーツ関連の視聴数が4億7,500万時間を超える見込みであり、Esports Chartsによれば、グローバルなスポーツエンタメシーンにおける重要なポジションを築いています。
Visaは、「M7」の公式決済パートナーとして、大会運営を支援し、ファンに対して安全で安心な決済体験を提供することを約束しています。特に、デジタル体験の民主化と金融包摂の促進を目指して、若者に対する豊かなデジタル生活を支える手段となることが期待されています。
デジタル決済の未来を支える融合
今回の提携は、VisaがMOONTON Gamesと連携し、モバレファンへの高品質なeスポーツ体験を提供する体制を構築するものです。Visaは、200以上の国・地域でデジタル決済のインフラを整えており、ユーザーが安心してデジタル経済に参加できる環境を整えています。この提携は、モバレeスポーツとの初めての協業となり、Visaの先進的な決済技術をデジタルコミュニティに絡めることになります。
モバレは2024年に「The Esports Awards」や「The Mobies」などで受賞歴があり、2025年には「The Game Awards」にもノミネートされています。若年層プレイヤーが多数存在する中で、この提携はゲーム体験の質を向上させ、次世代のデジタル経済への信頼を提供するものです。
東南アジア市場の成長と若者たち
モバレが間違いなく最大の支持を得ている地域は東南アジアであり、この地域ではデジタル決済の進展が経済活動を変えつつあります。非接触型決済やデジタルウォレットといった多様な決済手段が浸透し、若者たちが自信を持ってオンラインでの購買や交流を行える環境が整っています。この流れは、モバレeスポーツのエコシステムにも組み込まれ、若者たちの経済的アクセスを拡大する一因となるでしょう。
MOONTON Gamesのエイドリアン・チャー氏は、「VisaをM7世界選手権に迎えることは大きな前進です。この提携で、ファンにM7における体験の向上を提供できるのも嬉しいポイントです」とコメントしています。Visaはプロセスを簡素化し、M7大会のチケット購入時にVisaカードを使用することで、20%の割引や特別体験への参加機会も用意しています。
世界の舞台でのM7大会の期待
2026年1月にはジャカルタで「M7世界選手権」が開催されます。2022年のM4以来の開催であり、22のトップチームが総額100万ドルの賞金をかけて競い合います。インドネシアはモバレの最大のファン層を持っており、熱気のある大会が期待されています。
前回大会M6では、モバレeスポーツの商業的なポテンシャルが示され、パートナー企業に与えるブランド価値は約1億3,400万ドルに達すると推計されています。MOONTON Gamesは、スマートフォンブランド「realme」との提携も発表し、大会公式ゲーミングフォンを起用することでさらにブランド力を強化しています。
メディア関連の新たな提携も進めており、東南アジア地域での放映権販売代理店としてRedd+Eとの契約が新たに締結されました。これにより、競技の成熟とグローバルなスポーツIPとしての認知がさらに高まっています。
これからのVisaとモバレの連携は、デジタル経済・eスポーツの発展を通じて、若者に新しい機会を提供する大きな力に成長していくことでしょう。