特許調査の新時代を迎える『サマリア』
パテント・インテグレーション株式会社が2024年5月27日にリリースした特許読解支援アシスタント『サマリア』が、特許調査の形を変えようとしています。特に注目すべきは、AIエージェントを搭載し、自動で検索式と検索集合を作成できる『調査支援ツール』の機能です。この新しい機能は、特許調査の第一人者である角渕由英氏の監修の下で開発されており、従来の方法に比べ、効率性と精度を大幅に向上させています。
新機能『調査支援ツール』の特色
『調査支援ツール』では、ユーザーが特許文書をアップロードするだけで、生成AIが自動的に検索式を生成します。これにより、従来は時間を要していた検索式の作成プロセスが一気に短縮されます。具体的な機能としては、以下の4つがあります。
1.
検索式・検索集合作成: 調査対象文書を解析し、キーワードごとの重み付けに基づいて検索式を自動生成。
2.
スクリーニングツール: AIが作成した特許集合に対し、全件読み込みを行い、技術内容を考慮した調査結果を提供。
3.
適合性評価: 作成された検索結果特許に対して、適合性を自動評価し、適切な特許分類を特定します。
4.
調査報告書の自動作成: 全文査読をAIが自動で行い、調査報告書を生成します。
この新機能によって、特許調査を行う際の時間的コストが大幅に削減されます。実際、従来は20時間ほどかかっていた作業が、AIの力を借りることで短時間で完了する可能性が高まります。
特許の新規取得
2024年5月には、生成AIを用いた特許調査と分類、情報解析に関連する基本特許を3件新たに取得しました。これにより、パテント・インテグレーションの特許は合計12件となり、知財実務における生成AI活用の道を開く重要な成果となっています。
取得した特許の中には、特許文書に対する分類付与や、特許文書と発明との関連度評価を行う技術が含まれており、特に業務での具体的な応用が期待されています。
充実したサポート体制
さらに、パテント・インテグレーションでは、カスタマーサポート体制の強化にも力を入れています。新しいサポートメンバーを迎え、生成AIの適切な利用方法についても丁寧に指導する体制を整えています。実務における人の支援の重要性を見極め、AIと人間が協力する新しいワークスタイルを築くことを目指しています。
まとめ
パテント・インテグレーション株式会社は、知財情報の高度化と効率化を目指し、独自の視点から新しい特許調査ツールを提供しています。今後も知財業界に新風を吹き込み、クライアントのニーズに応えるサービスを展開していくことでしょう。特にAIを駆使した調査支援機能は、特許業務の効率的な運用に寄与し、利用者の負担を軽減することで期待されています。今後の展開にも注目です。