東京パラリンピックから4年、パラスポーツの未来を考えるシンポジウム開催
2023年11月5日、公益財団法人日本財団パラスポーツサポートセンターが日本福祉大学パラスポーツ研究所と共同で、オンラインシンポジウム「東京パラリンピック大会開催に期待された社会変革の振り返り:大会から4年を経て」を開催しました。このシンポジウムでは、障がい者スポーツの普及や改革について、多様な分野の専門家が意見交換を行いました。
シンポジウムの主旨
シンポジウムでは、パラリンピックの影響を振り返るとともに、今後の課題や展望について議論されました。特に、以下の6つのテーマに焦点を当てて意見が交わされました。
1. パラスポーツの普及
2. 組織改革とインフラ整備
3. 意識改革
4. 人材育成
5. パラリンピック教育
6. 経済界の参画と貢献
パラスポーツの普及
登壇した小淵和也氏は、障がい者専用スポーツ施設の普及不足とその改善点について触れました。全国には150の障がい者専用施設がありますが、障害者手帳を持つ人が週に1度以上スポーツをする環境が整っていないことが明らかにされました。それに対抗するためには、地域の公共スポーツ施設をネットワークとして活用することがポイントです。
組織改革とインフラ整備
河合純一氏は、ビジョンを明確にし、周囲と共に変革を進めることの重要性を強調しました。特に、自身の経験をもとに、アスリートから組織の役職者へと成長することで新たな価値が生まれることを示しました。
意識改革
延與桂氏は、パラリンピックが盛り上がった後、一般の認知度が薄れる傾向について議論しました。持続可能な改革の必要性を訴え、パラスポーツの意義を広めるための努力が重要とされました。
人材育成
櫻井誠一氏は、指導者の養成に取り組むことの重要性を強調しました。新しい指導者を育成するための教材作成や、教育機会の拡充を提案し、プロフェッショナルな育成の重要性が語られました。
パラリンピック教育
齊藤まゆみ氏は、教育課程におけるパラリンピック教育の位置づけの重要性について言及しました。ダイバーシティや共生社会の実現に向けた教育の必要性を強調しました。
経済界の参画と貢献
山口一朗氏は、経済界がどのようにパラスポーツに参画できるかを議論しました。具体的には、スポンサーシップの重要性や、継続的な支援が求められています。
まとめと今後の展望
シンポジウムを通じて進められた議論は、パラスポーツの発展に向けた重要な視点が数多く示されました。パラリンピック後のレガシーを持続させるためには、競技団体だけでなく、地域社会や経済界も積極的に関与する必要があると強調されました。これからも継続した取り組みを通じて、社会全体が障がい者スポーツを支援する環境が築かれていくことが期待されます。
日本財団パラスポーツサポートセンターの活動が、今後もこの分野のさらなる発展に寄与することを願っています。