JALと日本グリーン電力開発が国産SAFの商用化を目指す
2024年11月20日、日本航空株式会社(JAL)と日本グリーン電力開発株式会社は、食用に適さないココナッツを原料にした国産SAF(持続可能な航空燃料)の商用化に向けた覚書を締結しました。この取り組みは、航空業界の脱炭素化を目指す重要なステップです。
SAFの導入を進める背景
航空業界は、環境負荷の低減が求められています。その中で、SAFの利用は温室効果ガスの削減に寄与する手段として注目されています。JALは、2030年までに搭載燃料の10%をSAFに置き換えるという具体的な目標を掲げ、これまでの取り組みにさらに拍車をかけるとしています。これにより、持続可能な航空交通を実現するためのリーダーとしての地位を確立したい考えです。
一方、日本グリーン電力開発は、2018年からインドネシアで調達した規格外ココナッツを活用し、SAFの製造に取り組んできました。ココナッツの生産は全世界で年間7000万から1億トンに及び、そのうち約30%は未成熟や発芽が理由で食用に適さない規格外とされています。これらの資源を無駄にせず、持続可能に活用することがこのプロジェクトの目指すところです。
具体的な取り組み
規格外ココナッツを原料としたSAFは、2024年3月に新たに原料として登録され、実用化は2030年頃を見込んでいます。さらに、このプロジェクトは、日本のNEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)の助成事業にも選ばれ、国際的な脱炭素化の動きにも貢献しています。
このプロジェクトは、アジア・ゼロエミッション共同体(AZEC)としても位置付けられており、経済成長を維持しながら脱炭素化を進めるための重要な要素となります。特に、規格外ココナッツの利用は、地域の農業や経済にもプラスの影響をもたらすことが期待されています。
持続可能な未来を目指して
JALと日本グリーン電力開発は、今後も国産SAFのサプライチェーンを構築し、さらなる環境負荷の低減に貢献していくとしています。彼らの取り組みは、他の企業や業界にも波及効果を与え、持続可能な社会の実現に寄与するでしょう。
持続可能な航空燃料の実用化は、航空業界の未来を左右する大きなカギとなります。JALと日本グリーン電力開発によるこの画期的な取り組みが、環境に優しい航空旅行の実現へと導くことを期待しましょう。
詳細な取り組みについては、
JALのSAFの取り組みや
日本グリーン電力開発の規格外ココナッツSAF事業の取り組みをご覧ください。