サプライチェーンにおける見えないリスクを可視化する新たな取り組み

企業が直面するサプライチェーンのリスクは、日々複雑さを増しています。サイバー攻撃や気候変動に伴う自然災害など、ことさら目に見えないリスクにどう対処するかが問われています。このような背景の中、大手企業であるSOMPOリスクマネジメント株式会社と、持続可能性評価を行うEcoVadisが基本合意書を締結しました。この協力により、日本企業が抱える情報開示やリスク対応の支援が期待されています。

サプライチェーンリスクの拡大

昨今、サプライチェーンと呼ばれる流通経路におけるリスクはますます顕著になっています。時には、企業の根幹に影響を及ぼすこともあります。特に、サステナビリティにまつわる環境や人権問題への対応が求められる時代となり、自社に直接的な影響を及ぼさない遠くのサプライヤーからのリスクまで、幅広く管理する必要があります。これらのリスクを可視化し、適切に管理することが企業価値を向上させる鍵となります。

SOMPOリスクとEcoVadisの協業

SOMPOリスクは、システム全体のリスクを包括的に管理することを目的とした企業で、全社的リスクマネジメントや防災・減災を支援する専門家です。一方、EcoVadisは、全世界で15万社以上のサプライヤーの持続可能性を評価し、そのスコアを元に企業がESGリスクを評価できるプラットフォームを提供しています。

今回の基本合意により、両社の専門性を結集し、企業が直面しているグローバルなサプライチェーンのリスクを明確にし、効果的な管理方法を提供する体制が構築されます。

具体的には、EcoVadisが明らかにした課題に対して、SOMPOリスクが具体的な改善支援に乗り出すことになります。リスクの可視化から改善策まで、一貫したサポートが期待されるのです。

今後の展開

今後、両社は協力してIT・調達・サステナビリティといった多様な分野で、持続可能性リスクに対する包括的な対応を強化します。さらに、国内外のサステナビリティ情報開示基準等に関する規制への適切な対応支援も行う予定です。この取り組みは、日本企業がより透明性のある情報提供を行い、その結果としてサプライチェーン全体の信頼性を向上させることに寄与するでしょう。