カバン屋とドローン
2022-06-22 15:00:07
広島の老舗カバン屋がドローンで未来を切り拓く!審査員特別賞を受賞
広島の老舗カバン屋がドローンで未来を切り拓く
広島に本社を置く株式会社片岡商店は1897年の創業以来、主にスクールバッグの企画と販売を行ってきた歴史ある企業です。しかし、少子化の影響で市場は縮小し、販売単価の伸び悩みという厳しい状況に直面していました。そんな折、同社の未来を託されている5代目予定の片岡勧氏は、新たな挑戦に乗り出しました。
ドローンを駆使した新たな挑戦
片岡氏は「製造現場で働く人々の想いを伝えなければ」との考えを抱き、得意のFPVマイクロドローンを使用して自ら製造現場を撮影しました。この映像をSNSに投稿すると、予想以上の反響があり、同じように苦境に立たされている中小企業へのサポートができるのではないかと感じ、ドローンによる工場見学事業をスタートしました。
側島製罐との出会い
その中で出会ったのが、側島製罐株式会社のアトツギである石川貴也氏です。彼との出会いは「家業エイド」という家業サポート団体の担当者からの紹介がきっかけでした。明治期に創業した両社は業歴が同じで、また同じ時期に苦境に立たされているため、心強い仲間として意気投合しました。
撮影は秒単位での構成を練りつつ進められ、工場の社員とも連携し、完成度の高い映像が実現しました。このクオリティの映像が「Drone Movie Content 2022」にエントリーできる作品となり、審査員特別賞に輝く結果となりました。
撮影機体“剥きプロ”とは
撮影に使用されたマイクロドローンは、約150gと軽量で、外装を排除したことで機動力を高めています。通称「剥きプロ」と名付けられたこのドローンには、GoProカメラが搭載され、工場内の様子を鮮明に捉えました。フォークリフトやプレス機の間を縫うように飛行し、臨場感あふれる映像が撮影されました。
受賞に寄せられたコメント
片岡氏は、少子化や海外製品の流入によって市場が縮小している中でも、日本製の品質の高さを強調しました。ドローン物流分野への進出も視野に入れ、伝統を持ちながらも新しい挑戦を続けています。
一方、石川氏も、コロナ禍の中で世の中を明るくする手段としてドローンを使ったバーチャル工場見学を企画したことを振り返り、受賞に喜びを表しました。
また、「家業エイド」の梅田氏は、中小企業が抱える事業承継の問題に取り組む姿勢を評価し、両社のコラボレーションが新しい経済の流れを生むことを期待しています。
まとめ
老舗企業が新しい技術を取り入れ、未来に向けて再び立ち上がろうとする姿は、多くの中小企業にとっての希望の光です。片岡商店と側島製罐は、ドローンの活用を通じて新たな道を切り開く姿勢を示しており、その挑戦がどのように発展していくのか大いに期待されます。
会社情報
- 会社名
-
株式会社片岡商店
- 住所
- 広島県広島市中区十日市町1-3-12
- 電話番号
-
082-231-1459