お茶の水女子大学で開かれたBe-A Japan主催の生理セミナーは、単なる生理に関する知識の提供にとどまらず、文化や宗教、社会規範が女性に及ぼす影響、特に生理に対する捉え方の違いを浮き彫りにした、重要な機会となりました。
セミナーには、バングラデシュやタジキスタンからの留学生を含む8名の学生が参加。90分間、英語での講義とディスカッションが行われました。
テーマは「女性の身体と安全の重要性」。日本の歴史から紐解きながら、女性が社会においてどのような立場に置かれてきたのか、そして現代においても女性が直面する課題について解説されました。
特に印象的だったのは、バングラデシュ出身の学生の言葉です。「母国では、女の子が自分で生理用品を買うことはタブー。父親に買ってもらっていました。」この言葉は、日本人の学生たちからも驚きの声を上げさせたほど衝撃的なものでした。
生理用品へのアクセスが制限されているだけでなく、生理が不潔なものと見なされ、礼拝やモスクへの立ち入りが禁じられている地域もあるという現実。宗教や文化によって、女性の生理に対する扱いは大きく異なることが明らかになりました。
セミナーでは、日本と他国の生理事情を比較することで、生理に関する認識の差、そしてジェンダーにおける不平等が世界的に存在していることを改めて認識させられました。
留学生たちの体験談は、私たちが当たり前のように思っている日本の社会状況が、世界から見ると決して当たり前ではないことを示しています。
例えば、日本の学生からは「生理痛で学校を休む際に、体調不良という言い方をせざるを得ない」という声が上がりました。これは、生理を理由に休むことに抵抗がある、あるいは周囲から理解を得られないという現実を表しています。
一方で、留学生からは「生理に関するオープンな会話が驚くべき」という感想も聞かれました。これは、日本の社会では生理についてオープンに話しにくいという現状を反映していると言えるでしょう。
今回のセミナーは、参加者それぞれにとって、生理に関する新たな視点を得る、そしてジェンダー問題について深く考える機会になったようです。
セミナー後に行われたアンケートでは、「自分の身体についてもっと知りたいと思った」「生理用品の環境問題について考えるようになった」「生理休暇などの社会制度の必要性を感じた」といった声が寄せられました。
Be-A Japanは、今回のセミナーを通して、今後も生理に関する理解を深め、女性が安心して過ごせる社会の実現を目指していくとしています。