パーソルグループの新たな挑戦
パーソルエクセルHRパートナーズ株式会社(以下、パーソルエクセル)が、2024年11月にベトナム・ハノイに現地法人を設立することを発表しました。本法人では、ベトナム国内におけるソフトウェアエンジニアの採用及びスキル育成事業を展開し、2028年までに採用人数を現在の2倍に引き上げることが目標です。これにより、ベトナムのエンジニアたちに活躍の場を提供し、両国の技術者不足の解消に寄与する狙いがあります。
背景: エンジニア不足の深刻化
日本では急速なデジタル化の進捗により、IT人材の不足が叫ばれており、経済産業省の調査によれば、2030年には最大79万人のIT人材が不足するという推計が出ています。特に組み込みソフトウェアエンジニアに関しては、国内の需要が急増しているにもかかわらず、確保が難しい状況が続いています。今後5年以内に、パーソルエクセルは日本市場におけるこの課題に対して直接の解決策を提供しようとしているのです。
ベトナムへの雪崩のようなシフト
パーソルエクセルは2017年からベトナムエンジニアの採用を開始し、これまでにも約200名のエンジニアを日本企業に派遣してきました。しかし、依然として日本語能力の壁や、帰国後の雇用機会の不足などの課題が残っていました。そこで、現地法人の設立によって、これらの課題にも対処しようとしています。
現地法人の特徴
新たに設立されるハノイの法人では、特にハノイ工科大学との提携が大きな期待を寄せられています。この大学は、組み込み・IoT学科を新設するなど、優秀なエンジニアの育成に力を入れています。パーソルエクセルは、この提携を通じて、質の高い技術教育を受けたエンジニアを日本に送り出すことを目指しています。具体的には、実践形式の教育を行う日本語研修センターも設置し、学生や内定者に対する日本語教育を強化していく予定です。
ブリッジエンジニアによる支援
また、実務経験を積んだブリッジエンジニアを配置することで、日本とベトナムの間のコミュニケーションを円滑にし、国際協力を促進します。このブリッジエンジニアが担当することによって、エンジニアたちは現場での実務を通じて技術だけでなく、文化理解や業務マナーを身につけることができます。
日本国内への影響
こうした取り組みを通じて、パーソルエクセルHRパートナーズは日本国内における技術者不足を軽減し、労働市場における新たな雇用機会の創出にも貢献していく考えです。ベトナムから優秀な人材を呼ぶことで、国内企業は競争力を高めることが可能になるでしょう。
今後の展開
パーソルエクセルでは、2025年3月に開所式を予定しており、具体的なスキル育成プログラムの詳細や採用計画を続々と発表していく予定です。日本とベトナムの架け橋となる新しいビジネスモデルを確立し、国際的な人材交流の一環として、今後の展開に注目が集まります。