安川アジアパシフィックがASEAN地域でICT統制システムを構築
2023年、安川アジアパシフィック(YAP)は、ASEANの5か国において統一されたICT統制システムを導入しました。これは、ITサービス業のJBCCグループの子会社であるJBCC(Thailand) Co., Ltd.(以下、JBTH)が主導して行われました。本システムの目的は、ICTの統制とセキュリティの強化です。この取り組みは、安川電機が掲げる「データを世界の共通言語に」という理念に基づき、データドリブン経営を推進するための重要なステップとなります。
ICT統制の重要性
YAPは、シンガポール、タイ、マレーシア、インドネシア、ベトナムに拠点を持ち、地域の企業に向けたサービスを展開しています。デジタルトランスフォーメーションが求められる中、ICTの安全な運用は企業の成長に不可欠です。YAPグループ全体のデータセキュリティを確保するために、統一したICT規定の策定と、それに基づくシステムの実装が求められました。
JBTHの提案された取り組み
JBTHは、ASEAN地域における豊富な実績を基に、「グローバルICT統制システム」の構築を提案しました。ASEANの5か国で現地調査を行い、それぞれのICT環境とセキュリティレベルを評価しました。これにより、YAPグループの標準に従ったICT規定が明確化され、各拠点で必要なシステム仕様が決定されました。
さらに、現地のITパートナーと協力して段階的な実装を進め、持続可能な運営体制を構築しています。このプロセスにより、現地主導のアプローチとグループ全体の統制が両立し、データ活用に向けたセキュリティ基盤が強化されました。
構築されたシステムの特徴
1.
ICT環境とセキュリティレベルの可視化
JBTHによる現地ICTセキュリティ診断を通じて、各拠点のセキュリティレベルを客観的に評価し、現地ITパートナーと連携しながら支援体制を確認しました。
2.
規定とシステムの実装
IPA基準を参考にして、現地で実行可能なYAPグループのポリシーを策定。リスクに基づいた優先順位を付けることで、段階的なシステム実装を行い、ファイアウォールやEDRの整備を進めました。
3.
現地主導と全体最適の共存
各拠点の現地ITパートナーと密接に協力し、不足する領域についてはJBTHが技術支援を行う柔軟なアプローチが採用されます。コンサルティングから運用支援まで幅広く対応し、持続可能なICTセキュリティ体制の確立に寄与しています。
結論
今後もJBTHは、YAPグループ全体のICTセキュリティ基盤の強化に取り組んでいく予定です。このような取り組みがASEAN地域の企業におけるデジタル化を加速し、経営の向上に貢献することが期待されています。詳しくは、JBCCの公式サイトにて
事例紹介をご覧ください。