北海道文化放送、技術部門での栄誉
北海道札幌市に拠点を置く北海道文化放送株式会社が、2024年日本民間放送連盟賞技術部門で優秀賞を受賞しました。この受賞は、同社が自社開発した「業務改善を目的とした報道用WEBアプリケーション」によるものです。実に、2年連続の快挙となります。
自社開発のWEBアプリの特徴
受賞したWEBアプリケーションは、報道現場における業務の効率化とDX推進を実現するために開発されました。以下に、その主な機能を紹介します。
1. FAXデータの自動処理
このアプリは、自治体から送信されるFAX情報を、文字認識技術と生成AIを活用し自動でデータベースへ蓄積します。これにより、手動での情報取り扱いを減少させ、業務の効率化が図られます。
2. 原稿作成の自動化
データベースに蓄積されたFAX情報をもとに、生成AIが簡易な原稿を自動生成します。この機能により、報道素材の迅速な作成が可能となり、閲覧や検索も効率よく行えます。
3. ニュース配信用素材の生成
テキスト原稿をもとに、ニュース配信用の素材を生成することで、毎月約15本程度のニュース配信数が増加しました。これによって、視聴者への情報提供がよりスムーズに行えるようになっています。
4. SNS用映像素材の生成
さらに、YouTubeショートやその他SNS向けの縦型動画も簡単に作成できる機能を備えています。この機能は、動画1本あたり平均20~40分の業務時間を削減する効果をもたらしています。
低コストでの運用
このアプリケーションは、クラウドサービスを使用しており、開発部門で1名のスタッフが開発、保守、運用を行っています。そのため、アプリケーションの月間ランニングコストはわずか約20ドルに抑えられています。
今後の展望
北海道文化放送は、これらの技術を駆使し、今後もより一層の業務改善を図るとともに、放送事業の発展に寄与していく意向です。さらに、2023年にも同技術部門での優秀賞を受賞するなど、連続した成果にも期待が寄せられています。
技術部門とその意義
日本民間放送連盟賞技術部門では、過去1年間に民放局が行った技術開発や改良が評価されます。北海道文化放送は、限られた人員とコストの中で報道業務の改善を実現し、その効果が審査対象となりました。今回の受賞は、テレビ放送業務の効率化とデジタル変革における重要な一歩といえるでしょう。
今後の展開に期待が高まります。