命と病気を学ぶ新たなイベント、こころの友フェスティバル
2025年9月6日、札幌で開催された「こころの友フェスティバル」は、特に病気や障がいの理解を深めるためのユニークな催しだった。このフェスティバルは、地域の子どもたちとその家族が集い、楽しく学び合う貴重な体験の場を提供した。
主催は一般社団法人ハートキッズライフリンクで、共催には北海道立子ども総合医療・療育センターが名を連ね、さらに北海道手稲養護学校の協力を受けて実施された。約200名の参加者が集まり、多様なプログラムを通じて交流を深めた。
メインプログラムの内容
このフェスティバルの中心となったのは、心臓手術体験「ハートキッズセミナー」だ。このセミナーでは、小児心臓外科医の指導の下、実際の心臓手術の体験をすることができた。子どもたちはブタの心臓を使いながら、心臓の構造や血液の流れについて理解を深め、さらには縫合を体験することで「命」を実感した。
また、医療体験ブースでは、血液型の検査や細胞観察など、教育的でありながら楽しめるアクティビティが豊富に用意された。特にECMO(体外式膜型人工肺)の体験は、新型コロナウイルスを通じて注目されていた医療機器を直接触れる機会となり、参加者にとって記憶に残る体験となった。
「誰でもバーベキュー」と地域のつながり
交流タイムには「誰でもバーベキュー」が行われ、病気を持つ子どもたちと健常児が一緒に食事を楽しむ時間も設けられた。この取り組みは、互いに理解し合うためのツールとなり、参加者同士の絆を深める良い機会となった。周囲には安心して楽しめる授乳スペースやキッズスペースも設けられ、家族全員が満足できる配慮がなされた。
参加者の声
多くの参加者からは、感謝の声が寄せられた。「子どもが心臓の手術に挑戦して、とても感慨深い時間になりました」と語る親の言葉や、「実際に触れられた医療機器は、興味を持つきっかけになった」との感想が印象的だった。特に心臓病をもつ子どもが手術体験を通じて希望を持つ姿は、参加者全員に感動を伝えた。
開催の意義
日本では先天性心疾患を持つ子どもが100人に1人と言われている中、その病気や気持ちを理解する機会は非常に少なく、一般市民にとって「体験的に学ぶ」は新鮮な経験となった。「こころの友フェスティバル」は、地域の中で病気や障がいのある子どもたちが健常児と共に学びあう場である。
今後の展望
今回の成功を受けて、2026年には北海道で第2回の開催が予定されているほか、他の地域でも企画が検討されている。地域や団体からの参加希望も歓迎されており、今後も「ここフェス」のような活動が広がることに期待が寄せられている。
お問い合わせ
本フェスティバルに関する詳細や来年度の開催については、一般社団法人ハートキッズライフリンクまでお問い合わせください。公式HPでも情報が更新されていく予定です。ぜひ協力して一緒にこの活動を広げていきましょう。