インクルーシブな音楽体験を実現する「Beyond Music Festival 2024」
音楽は人々をつなげる力を持っています。それを実感できるのが、11月2日に大阪府豊中市の服部緑地野外音楽堂で開催される「Beyond Music Festival 2024」、通称ビヨフェスです。このフェスは、障害のある人もない人も一緒に楽しむことができるインクルーシブな音楽イベントとして、多くの期待が寄せられています。
開催日と出演アーティスト
今回のフェスティバルは、14:00にオープンし、15:00から18:30までの予定で進行します。出演者には、応援ソングでお馴染みのベリーグッドマンやHIPPY、WOLF HOWL HARMONY、THE FRANK VOX(オープンアクト)が登場し、観客を盛り上げます。チケット料金は5,000円(税込)で、入場時に別途500円のドリンク代が必要となります。
新しい鑑賞支援サービス
ビヨフェスの特徴的な部分は、鑑賞者のための支援サービスです。音楽をより楽しむために、ステージ手話通訳やリアルタイム字幕が用意され、聴覚に障害のある方へ音声補聴サービスも提供されるほか、視覚障害者を支援する「コンシェルジュ・サービス」が新たに導入されます。これは、視覚的な情報を提供することで、より多くの人に音楽の楽しさを届けようとする試みです。
特に注目が集まるのは、メガネ型ディスプレイを使用した字幕サービスです。この最新鋭の技術を用いることで、歌詞だけでなく、アーティストの呼びかけやコール&レスポンスもリアルタイムで表示されます。また、音楽の振動を視覚的に体感できる機能もあり、参加者は音楽の奥深さを新たな形で感じることができるでしょう。
「コンシェルジュ・サービス」でのサポート
視覚障害のある方の参加を促進するために、移動に関するさまざまなサポートを提供する「コンシェルジュ・サービス」も設置されます。このサービスでは、最寄り駅から会場までの送り迎えや、会場内の移動支援、そして視覚支援に必要な機器の使い方について説明するなど、参加者が安心してフェスを楽しむための手助けを行います。
さらに、視覚障害のあるお客様のために、アーティストの衣装やステージの状況を言葉で伝える音声ガイドも用意されています。これにより、対象者が周囲の状況を把握しやすくなり、より楽しい体験を提供します。
デフスタッフによる新たな活躍
今年からは聴覚に障害のあるデフスタッフが参加者としてだけでなく、運営スタッフとしても活躍します。広報業務を担当するデフスタッフたちは、手話や字幕付きのPR動画を制作し、耳が聞こえない方にもイベント情報を届ける重要な役割を果たします。彼らは受付業務や会場案内、ドリンクコーナーでの接客にも携わり、幅広いシーンで参加者をサポートします。
多様性・包括性を目指して
ビヨフェスはただの音楽イベントではなく、多様性を尊重し、誰でも楽しめる場を提供することを目的としたプロジェクトです。主催者である一般社団法人日本障害者舞台芸術協働機構の代表理事、南部充央氏は、障害者も参加できる舞台芸術の企画や運営に20年以上関わってきた実績があります。彼の経験は、このようなインクルーシブな環境を作り上げるために大いに役立っているといえるでしょう。
まとめ
音楽は、私たちの心を豊かにするだけでなく、人と人とのコミュニケーションを生み出します。「Beyond Music Festival 2024」は、その実現に向けた素晴らしい取り組みです。障害の有無にかかわらず、すべての人が音楽を楽しめるその瞬間を、ぜひ体験してみてはいかがでしょうか。