通信教育の新時代到来、Z会とウィザスが業務資本提携を発表

教育業界の再編を加速する新たな提携

2023年、通信教育大手のZ会と学習塾業界をリードするウィザスが業務資本提携を結ぶことが発表されました。この提携は、変化する教育環境に対応するための重要な一歩と位置づけられています。

業務資本提携の背景

ウィザスグループは、1976年の設立以降、「志望校合格」と「社会で活躍できる人づくり」を教育の指針として掲げ、関西圏では広範な学習塾を展開しています。生徒数は約16,000人に達しており、近年の社会問題であるニートやフリーターの増加を受け、キャリア教育にも力を入れています。一方、Z会グループは、創業以来難関校志願者をターゲットにした通信教育を提供し、約23万人の会員を抱えています。

教育サービスにおける競争の激化

少子化が進む中、教育サービス業界は大きな変革期を迎えています。集団指導塾や個別指導塾が乱立し、企業間での競争は一層激しさを増しています。このような環境の中、両社は業務資本提携を通じて顧客層の拡大とサービス強化を目指すことを決定しました。

業務提携の内容

この提携の具体的な内容には、以下が含まれています。
1. 教材や指導ノウハウの相互利用: ウィザスグループの対面教育の技術とZ会の通信教育のノウハウを組み合わせ、新しい教材を開発・提供します。
2. 校舎の相互使用: 立地や地域のニーズに応じた校舎の相互利用を行い、顧客の利便性を向上させます。
3. 新しい教育システムの構築: ウィザスのバーチャルスクールシステム「スクールシティ」とZ会のコンテンツを融合し、新しいサービスを開発します。

今後の展開

ウィザスグループの堀川社長は、Z会の通信教育の強みを生かし、ウィザスの対面教育のノウハウを統合することが、この提携によってもたらされる新しい教育サービスの柱だと述べています。また、Z会の加藤社長は、「多様な教育企業とのネットワークを活用し、新たな価値を創造することが、正に現代の教育に求められています」との見解を示しました。

この業務資本提携は、これからの教育業界に新たな風を吹き込み、双方の強みを活かしてさらなる成果を上げることが期待されています。