ごまの日に寄せて — 和田萬の挑戦
11月5日は「ごまの日」。この特別な日に際し、1883年に創業した大阪の老舗ごまメーカー、株式会社和田萬が、国産ごまの自給率向上への取り組みやごまの廃棄ロス削減の挑戦について紹介します。また、彼らのビジョンや理念も探ります。
和田萬は、「世界中に本当のおいしさを届ける」という理念のもと、東京でごまの加工・販売を行い、140年以上の歴史を有します。特に、大阪天満で誕生したこのブランドは、長い歴史の中で常に新しい挑戦をしてきました。
国産ごま自給率が0.03%!?
日本では、現在ごまの自給率は僅か0.03%。これは日本の食卓に欠かせないごまが、ほとんど海外からの輸入に頼っていることを意味します。この高い依存度に対し、和田萬は自社でのごま栽培に取り組み、農家との連携を強化するなど、日本の農業をサポートする企業としての役割を果たしています。
2001年から始まった「国産ごまプロジェクト」では、最大の産地である鹿児島県を中心に、九州、島根、兵庫、富山などの生産者と契約を結び、国産ごまの栽培に力を入れています。これにより、和田萬は年間約15トンの国産ごまを製造し、国内市場におけるシェアも30%を超えました。
新しい挑戦「IRUAERU」
2023年、和田萬は新たにカフェ「IRUAERU」をオープンし、市民により近い存在としての役割を果たしています。このカフェでは、ごまを使用した一般家庭では味わえないメニューを楽しむことができる他、ワークショップやアートイベントも開催されています。
また、IRUAERUでは健康を意識したごまラテやごまを活用したスイーツも提供。和田萬は、食を通じて人々の日常に新たな幸福をもたらそうとしています。
ごまの廃棄ロス問題への挑戦
和田萬が取り組んでいる大きな課題の一つがごまの廃棄ロスです。製造過程で発生するごまの皮や搾りかすは、全体の15~20%にも及び、特にごま油の製造では約70%が捨てられています。このロスを無くすため、和田萬では「なんでもごまんぞく」という新しい調味料を開発しました。
この調味料は、廃棄されるごまの搾りかすを再加工し、健康にも配慮した製品です。孤立した食品ロスを減少させながら、家庭の食卓に新たな風味を加えることができ、これまでにない幅広い使い方が可能です。
和田萬の未来への道
創業140年を迎えた和田萬は、これからも伝統と革新を融合させ、国産ごまの自給率向上や食品ロス削減を推進する企業として成長を続けたいと考えています。社内外での意見交換や新しいアイデアを積極的に取り入れながら、ごまを本気で愛する企業としての姿勢を貫いていくことでしょう。
和田萬は、日本の食文化を未来へと繋ぐための活動を続け、自社商品を通じて食の楽しさと健康を提案しています。そして、食卓にごまの豊かさをもたらすことで、日本人の食文化を次世代に守り続ける役割を担っています。
株式会社和田萬が展開する