マレリが革新をもたらす電動レーシング車両技術
2025年11月、ドイツ・ケルンで開催されたプロフェッショナル・モータースポーツ・ワールド・エキスポにおいて、マレリが新型電動レーシング車両用フロント・アクスルで二つの権威ある賞を手にしました。このイベントは、モータースポーツ分野における最新の技術革新が集まる注目の展示会であり、マレリはその中で自社の最新技術を披露しました。
新型電動アクスル「Race E-volution 500」
マレリのブース(4068番)では、「Race E-volution 500」が極めて注目を集めました。この電動アクスルは、エリートレース向けに設計されたもので、パワートレイン・テクノロジー・オブ・ザ・イヤー部門で表彰されました。最大出力350 kW、総重量57 kg、そして19リットルの容積という驚異的なパワー・ウェイト比を誇り、競技向けに特化した革新技術が詰め込まれています。
このアクスル技術は、モータースポーツの電動化が進む中、卓越した性能と信頼性を提供するために開発されました。競技選手権がその技術進化を促す中、マレリはこの技術を通じて新たな可能性を切り開きました。
高性能カメラ「HSC-130」の登場
さらに、イベントでは新型高速カメラ「HSC-130」のプレビューも行われました。これは、モータースポーツ専用に設計された小型のAI搭載カメラで、500フレーム/秒、1メガピクセルの記録性能を誇ります。あらゆる照明条件下でも高精度な映像をキャプチャできるため、ドライバーの安全性向上に寄与すると期待されています。
豊富な製品群が揃うマレリの展示
この2つの新技術に加え、マレリはECUやデータロガー、ダッシュボード、スマートアンテナなどのテレメトリー機器、燃料ポンプやイグニッションコイル、GDIインジェクターを含む製品群も紹介しました。特に、AI技術を活用した制御ユニット「VEC-480」や、高性能・コンパクトな「VEC-200」も展示され、エッジ・インテリジェンスの進化に寄与しています。
マレリは、レーシング業界の重要なサプライヤーとして、選手やチームに向けて高度な技術提供を行っています。また、展示された製品群が示すとおり、同社はモータースポーツの未来を見据えた革新を続けています。
まとめ
マレリの技術革新は、これからの自動車競技における新たなスタンダードとなるでしょう。モータースポーツの進化とともに、マレリが提供するソリューションは、より安全で高性能な競技環境を実現するための鍵となるはずです。今後も同社の最新技術から目が離せません。
マレリは、全世界に150以上の施設と研究開発センターを展開しており、約45,000人の従業員が活躍しています。これからのモビリティの革新に向けた取り組みに期待が寄せられています。