美術館鑑賞の未来を探る新たなトレンド
近年、美術館の来館者の行動や鑑賞スタイルが変化しつつあります。サントリーパブリシティサービス株式会社が行った調査によれば、1,037人の関東エリア在住者の意見からは、美術館に対する新たなニーズが浮き彫りになりました。特に若年層における「美術館会員」の潜在的需要や、静寂を超える鑑賞のあり方が注目されています。
美術館会員への潜在的関心
調査結果では、約80%の人が「美術館会員」に興味を持っていることが明らかになりました。実際に会員であるのは10%に過ぎないものの、「なりたい」と思う人が23%、「考えている」が38%という高い関心を示しています。特に20〜30代の若者たちが、SNSや公式ウェブサイトを通じて情報を集めていることも重要なポイントです。これにより、文化施設運営者はデジタルマーケティング戦略に力を入れることで、さらに多くの来館者を引き付けることができるでしょう。
美術館内での私語の容認
一般的に静かな鑑賞が求められる美術館ですが、調査ではなんと70%の来館者が状況により私語を容認する傾向があることがわかりました。「ある程度許容できる」との回答が40%を占め、年代や地域ごとの差もほとんどないことから、多くの人々がよりリラックスした環境での鑑賞を望んでいると考えられます。これに伴い、ギャラリートークなどの体験型展示が増えてきており、美術館は静かな場所から対話や共有を重視する場へと進化しています。
夜間来館の可能性と特典
美術館の夜間利用はまだ認知されていないことが調査で明らかになりました。夜8時以降の来館者は僅か1%で、利用が促進されていない様子が分かります。参加者からは「夜間割引」の要望が特に高い結果が出ており、来館の魅力向上に向けた施策として有効です。また、来館者が特に求めているのは体験を「広げる」特典であることもわかりました。
このような特典は、来館の思い出を可視化しやすく、SNSでの発信にもつながるため、今後の集客に大きな影響を与える可能性があります。
まとめ
今回の調査結果から、美術館が静かな鑑賞の場だけではなく、多様な体験の場に変わろうとしていることが見えてきました。会員制度への関心、私語の容認、夜間利用への期待など幅広いニーズに応えることで、美術館は新たな文化体験を創出し、未来へとつながる一歩を踏み出すことができるでしょう。これからの美術館がますます魅力的になることが期待されます。
調査の概要
- - 目的:美術館の来館者ニーズを把握し、新たな価値や成長トレンドを探る
- - 内容:アート鑑賞以外の来館目的、来館時間、情報収集方法
- - 調査方法:インターネットによるWEBアンケート
- - 対象者:関東エリア在住の20歳以上の2万人から抽出した1,037人
サントリーパブリシティサービス株式会社は文化施設の運営において、10年以上の経験を持ち、今後も人々の豊かな文化体験を支援していく所存です。