岐阜エリアにおける企業とNPOの協働による雇用施策に迫る

岐阜エリアにおける新たな雇用施策の展望

岐阜県では、企業とNPOが連携し、働きたいが就労に困難を抱える方々の雇用拡大を目指す取り組みが進められています。この背景には、日本全体の生産年齢人口の減少が影響しています。内閣府の推計では、2050年には生産年齢人口が大幅に減少すると予測されており、労働力不足が深刻化する可能性が懸念されています。そのため、捨てられた才能を活かすための制度的な整備が急務とされています。

雇用施策検討会の概要

2025年5月29日、岐阜市のじゅうろくプラザで第3回雇用施策検討会が開催され、岐阜県内の企業や地域の支援機関、教育機関などから31名が参加しました。この会議では、就労困難者の課題に対する提言が議論され、具体的な支援や体制の整備について意見が交わされました。

地域における就労困難者の現状

岐阜県では、現時点で有効求人倍率が1.5を維持しているため、求職者には比較的恵まれた環境ですが、2060年には約30万人の労働力不足が推計されています。また岐阜市内でも、約4.8万人が働きづらさを抱えており、支援が必要な状況にあります。これらの人々は、就労支援制度の枠外にあるため、雇用が進まないという現実が存在します。

提言の内容と今後の施策

会議では、就労拡大のための提言を4つの柱に基づいて整理しました。具体的には、

1. 総合相談窓口の設置: 就労困難者のための相談窓口を設け、情報の集約と支援を行います。
2. 企業への支援拡充: 雇用を促すための各種優遇措置を検討します。
3. 広報強化: 岐阜市が主体となり情報発信を行うことで、地域全体の理解を深めます。
4. 制度改革への協力: 障害者雇用の枠に就労困難者も含めることを求めます。

参加企業からは、「経済的な視点だけでなく、社会貢献としても就労困難者の雇用を考えることが重要」などの意見がありました。