レモンバームエキスの驚くべき効果
近年、自然由来の成分への関心が高まる中、植物由来のエキスが美容分野で注目されています。特に、レモンバーム(Melissa officinalis L.)は、その優れた抗酸化作用やリラックス効果で知られていますが、最新の研究では、レモンバームエキスが皮膚の老化を防ぎ、シワ改善に有効であることが明らかになりました。これらの研究は、広島県尾道市に本社を置く丸善製薬が行ったもので、科学的根拠に基づく新たな美容成分の可能性を示しています。
研究の背景
丸善製薬は、皮膚のコラーゲン線維を構成する膜タンパク質「Endo180」に着目しました。これは、コラーゲン受容体の一部であり、皮膚の弾力を維持するために不可欠な要素です。紫外線(UVB)などの影響でEndo180は減少し、肌の老化を促進します。この研究では、Endo180の減少を回復させる成分として、レモンバームエキスの有効性が確認されました。
レモンバームエキスの効果
71種類の成分を用いた評価の結果、レモンバームエキスが最も高い効果を示し、Endo180の産生を促進することがわかりました。実際に、UVBの影響を受けた皮膚線維芽細胞にこのエキスを加えたところ、Endo180とI型コラーゲンの産生がほぼ完全に抑制される結果が得られています。
また、レモンバームエキスを配合したクリームのヒトボランティア試験では、プラセボクリームと比較して目尻のシワを有意に減少させる効果も確認されました。このことから、レモンバームエキスは肌の老化防止において非常に有望な成分であることが示されています。
今後の展開
丸善製薬は、2025年に行われる「第12回化粧品産業技術展(CITE JAPAN 2025)」にて、今回の研究成果を応用した製品の展示を予定しています。科学的根拠に基づいた美容成分の展開が期待され、今後の研究によってさらなる効果が明らかになることが期待されています。
まとめ
レモンバームエキスは、肌のコラーゲンの再構築に寄与し、シワ改善の可能性をもたらす新たな美容成分として注目されています。自然由来の成分が、科学の視点からその有効性を検証され、美容市場でのシェアを拡大していく姿が期待されます。丸善製薬の今後の研究と新製品の登場に、ぜひ注目していきましょう。