命の教育を通じて犬たちを救う『かむ犬、うなる犬』の物語
新刊『かむ犬、うなる犬─犬たちが傷ついた犬を癒していく』は、譲渡不適切な犬たちが直面する厳しい現実を描く感動のノンフィクションです。この本は、保護施設「わんずふりー」を通して、犬たちが自らの仲間とともに如何にして癒され、再生していくかを丁寧に取材しています。著者の太田京子さんは、独自の視点から命の尊さと、犬たちとの共生について考察しています。
「譲渡不適切犬」とは、咬傷の跡を持ったり、うなるなどして問題行動がある犬たちのことを指します。彼らはしばしば殺処分の対象になり、その命が奪われたりします。しかし、齊藤洋孝さんは一匹でも多くの犬を救いたいという思いから、「わんずふりー」という保護団体を設立しました。彼の信念は"悪いのは犬たちではなく、その扱い方である"というものです。
この施設では、犬たちを「しつけ」するのではなく、社会の一員として少しずつ癒やし、回復させていくことを目指しています。犬たちはここで、心の傷を抱えながらも仲間と過ごすことによって次第に変わっていくのです。リーダー犬の「ねねじ」、サブリーダー「とらじろう」、女子リーダー「さくら」など、すべての犬がスタッフとして活躍し、その姿勢は多くの人々に感動を与えています。
この本では、犬たちが新しい家族と出会ったり、元の飼い主のもとに戻ったり、また最後まで施設で生きる犬たちのそれぞれのストーリーが描かれています。それぞれの命の物語は、心深く響くものがあります。
目次
- - はじめに
- - 第1章: なぜ、齊藤さんは「咬傷犬」を救いたいと思ったのか
- - 第2章: 傷ついた犬との向き合い方
- - 第3章: 齊藤さんの「心」の授業
- - 第4章: 「新入りくん」続々入所
- - 第5章: 犬の幸せって、なんだろう?
- - 第6章: 保護は続く、「咬傷犬」が、いなくなるまで
- - 第7章: 写真で見る変化……これって同じ犬?
- - 第8章: お別れのとき
- - 第9章: 次にめざすこと
- - おわりに
このノンフィクションを通じて、私たちは犬たちとの関わり方、人と動物の命をどう考えるべきかを再認識させられます。特に、犬たちをしっかり見つめる齊藤さんの表情は、彼らに愛情をもって向き合う気持ちが溢れています。人を信じることができない犬たちも、彼の優しさに触れながら徐々に心を開いていくのです。この姿は、命の教育や、動物虐待の撲滅への希望を感じさせてくれます。
書誌情報
- - 書名: かむ犬、うなる犬
- - 著者: 太田京子
- - 出版社: 株式会社岩崎書店
- - 定価: 1,650円
- - 判型: A5判・168ページ
- - 対象年齢: 小学校高学年
- - 配本日: 2026年3月17日
- - 発売日: 2026年3月19日
- - ISBN: 978-4-265-84070-0
この本の売り上げの一部は、保護団体「わんずふりー」に寄付されます。彼らの活動の理解を深め、犬たちの命を救う一助となることでしょう。