住友林業とNTTが手を組み、新しいJ-クレジット取引の時代へ
住友林業株式会社とNTTコミュニケーションズ株式会社は、2024年8月27日から新たに「森林価値創造プラットフォーム」、通称「森かち」を提供開始することを発表しました。このプラットフォームは、地理情報システム(GIS)の技術を駆使し、森林由来のJ-クレジットの創出・審査・取引を支援することを目的としています。これにより、森林クレジットの発行プロセスの効率化と信頼性の向上が期待されており、森林クレジットの流通を活発化させることが目標です。
「森かち」の全容
「森かち」は、2つの主要なサービスから成り立っています。
このシステムは、森林クレジットに関連する情報の一元管理を可能にし、様々な取引を効率化します。具体的には、以下の3つの機能があります:
1.
ランディングページ:誰でもアクセス可能なPR用WEBサイトで、森林クレジットの概念やサービス内容を解説し、基礎知識を提供します。
2.
クレジット発行支援機能:GISを利用したデータ管理や自動入力機能を提供し、申請書類作成をサポートします。
3.
クレジット取引サービス:販売ページを通じて、創出者が森林クレジットに関する情報を幅広く発信でき、購入者がそれをもとに取引を進めることを容易にします。
- - ### クレジット創出コンサルティングサービス
住友林業が持つ森林経営の知識を活かし、森林クレジットの創出に必要な支援を行います。主なサービスには、データ整備のためのサポートや、申請書類作成の支援が含まれます。
3者の役割
両社の協力体制は明瞭で、それぞれの専門性を最大限に活かしています。住友林業は「森かち」の運営やコンサルティングを担当し、NTT Comはシステムの開発と運用を行います。
GIS技術の導入による利点
このプラットフォームの最大の特徴はGISを用いたサービス提供です。デジタル化された資料を森林情報とリンクさせることで、関係者の負担が軽減されます。これにより、情報の管理が大幅に効率化され、誤情報のリスクを減少させながら、スムーズな取引を実現することが可能です。
購入者向け情報の充実
森林クレジットの購入者は、環境価値に関連する詳細な情報を求めています。「森かち」は、販売ページ上で環境への貢献度や森林の所在情報など、多様な情報を提供することで、クリアな取引を促進します。
背景と今後の展開
J-クレジット制度により、森林の管理から得られるCO2吸収量をクレジット化する取り組みが進められていますが、森林クレジットは他の削減系クレジットに比べて創出量が少ない現状です。両社はこの課題に対し、森林経営のノウハウとICT技術を融合し、効果的なサービスを提供することで日本の森林クレジットの活性化を目指します。今後は、さらなる機能拡充やパートナーシップの強化を通じて、持続可能な社会の実現に寄与していく予定です。