次世代の育成と職場体験
最近の教育現場では、中学生が「仕事」について考える機会が増えています。特に注目すべきは、株式会社ソフィアクロスリンクが実施した職場体験プログラムです。この取り組みは、地域の企業と教育機関が連携して人材育成を目指すものであり、未来のキャリア観を育む絶好の場となっています。
多様な業界との出会い
2025年11月17日、ドルトン東京学園中等部の2年生たちは、保育園や病院、メディア、書店、イベントプランニング、コンサルティング、スポーツジム、建築設計など多岐にわたる職場で体験を行いました。彼らは「働く」ということが何を意味するのか、実際の現場で学ぶことで、さまざまな職業観に触れました。
この職場体験の中で、彼らが参加した「そふぃトーク」は特にユニークな試みでした。仕事をただ体験するだけでなく、その本質について議論するこのプログラムは、主体的な学びを重視するドルトン東京学園の教育理念とも密接に関連しています。
「職業観」の探求
職場体験に参加する前、2人の生徒が考えていた仕事の定義は、自ら「稼ぐための手段」と「互いを満たし合えるもの」でありました。しかし同時に、「他にはどんな意味があるのだろう」といった探究心を持っていました。この探究心は、職場体験を通じてさらに深まりました。特に、現実の厳しさや好きなことを仕事にすることへの不安に対し、どう折り合いをつけるかの問いが浮かび上がりました。
同校には「ぶっちゃけ、ドルトーク」という独自の対話の場があります。この場では、生徒たちが本音を語り合い、互いの価値観を知る良い機会となっています。ソフィアの担当者がこの哲学的対話の手法を提案したところ、生徒たちからは「学校でも似たようなことをやっています」という反応がありました。こうして生まれたのが、職場体験の新たな形「そふぃトーク」でした。
対話から得られる新たな視点
「そふぃトーク」では、多様なバックグラウンドを持つ社員たちが対話を重ね、仕事への向き合い方やモチベーションの源泉について語りました。彼らの言葉には、個々の人生経験や価値観が色濃く反映されています。生徒たちは、「稼ぐための手段」と「互いを満たし合えるもの」という職業観が社員の経験談と結び付き、より深い理解を得ることができたと感じることでしょう。
この経験から何を学んだのか
職場体験を経て、生徒たちは「自分たちの仕事の新しい定義」を見出したのでしょうか。恐らく、明確な「答え」を手にしたわけではなく、むしろ多くの「問い」を持ち帰ったのではないかと思います。この体験は「仕事とは何か」というテーマを考えるきっかけとなり、既存の答えに対して新たな疑問を持つ大切な種をまいています。
重要なのは、自らに問い続け、対話を続ける姿勢です。それによって、彼らは自分なりの答えを更新し続けることができるのです。今回の「そふぃトーク」によって、企業内の対話文化が学校へと還元され、生徒たちの職業観は成長していくでしょう。これが彼らが社会へ進出する際の一助となれば、非常に意義深いことです。
まとめ
このソフィアクロスリンクの取り組みを通じて、中学生たちが自身の職業観を見直す様子は、今後の教育にとって重要な示唆を与えるでしょう。地域や産業界・教育機関が一体となって人材育成に取り組むことで、次世代のキャリア観をより豊かに育んでいくことが期待されます。