富岡町復興への想いを形にする「富岡復興ソーラープロジェクト」の視察
2026年1月16日、パルシステム連合会の理事長・渋澤温之率いる一行が福島県の富岡町を訪れ、「富岡復興ソーラープロジェクト」の視察が行われました。このプロジェクトは、原発事故後に地元住民が立ち上げた再生可能エネルギーの取り組みであり、富岡町の復興を目指しています。震災から15年が過ぎる中で、一人ひとりが再生可能エネルギーを中心とした生活の実現に向けて何ができるかを考える機会となりました。
視察先となったのは、富岡復興ソーラー発電所。株式会社パルシステム電力が運営しており、ここで発電されるエネルギーは「パルシステムでんき」として契約をしている利用者に届けられています。パルシステム環境委員会に所属する役職員29人が参加したこの視察は、地域社会に寄与する取り組みの重要性を再確認する場となりました。
このプロジェクトは、福島第一原発から約7キロ圏内の34ヘクタールの土地を利用した太陽光発電事業です。震災によって帰還不能となった地域住民が、復興と地域再生を目指して立ち上げたものです。発電所は2018年3月から稼働しており、同年10月からは「パルシステムでんき」への電力の供給を開始しました。得られた収益は、地域の福祉、農業、教育分野に還元される予定です。これにより、原発事故後の地域復興が着実に進められています。
視察を行った役職員らは、広大な土地に並ぶ太陽光パネルを目にし、地域の未来に向けた青写真を思い描きました。プロジェクトマネジメントを担当する株式会社エコロミの代表取締役・小峯充史氏は、「2030年度までの復興庁設置期間が終了した後も、この太陽光発電事業を通じて地域に貢献し続ける」と語ります。将来的には、土地所有者の世代交代も視野に入れて「新しい世代とも顔の見える関係を育んでいく」と展望を述べました。
視察のあと、富岡町文化交流センターで行われた講演では、青木淑子さんが自身の体験を交え、原発事故が引き起こした様々な課題について語りました。彼女は原発事故を「終わっていない災害」とし、地域の人々の意識の変化や連携の重要性を訴えます。青木さんは世代交代の必要性についても触れ、「地域に若者が戻ってくることを望んでいる」と強調しました。
続いて行われた「とみおかアーカイブ・ミュージアム」や「東京電力廃炉資料館」の見学では、原発事故が地域に与えた影響を直視する貴重な体験が待っていました。語り部の猪狩輝美さんが震災発生当時の経験を語り、参加者たちは地域の歴史的な背景や今日の課題をより深く理解しました。猪狩さんは、自宅が津波で流された過去を振り返りつつ、「元気なうちに富岡町に帰りたい」と願いを語りました。
この一連の取り組みを通じて、パルシステムは原発事故の記憶を風化させず、福島の人々とのつながりを大切にし続ける決意を新たにしています。命と生活を支える持続可能なエネルギーと食の実現に向けて、地域復興の意義を再確認する機会となりました。
パルシステム生活協同組合連合会
所在地: 東京都新宿区大久保2-2-6
理事長: 渋澤温之
会員数: 176.2万人(2025年3月末現在)
HP:
https://www.pal-system.co.jp/