ジェイテクトが愛知発明賞を受賞
株式会社ジェイテクトが、令和7年度愛知発明表彰にて愛知発明賞を受賞しました。この賞は、一般社団法人愛知県発明協会によって主催されたもので、技術革新を通じて地域社会へ貢献する企業に贈られます。本記事では、受賞の背景や新たに開発された技術の詳細について紹介します。
受賞の背景
ジェイテクトは愛知県刈谷市に本社を構え、特に工作機械分野での高い技術力を誇ります。最近では、環境に配慮したカーボンニュートラルや高燃費化が求められる中で、エンジンと電動ユニットを組み合わせたハイブリッド車(HEV)やプラグインハイブリッド車(PHEV)などの需要が高まっています。これに対し、ジェイテクトは「技術をつなぎ、地球と働くすべての人を笑顔にする」というミッションのもと、2030年に向けたJTEKT Group 2030 Visionを掲げ、モビリティ社会の未来を創るためのソリューションプロバイダーとしての成長を目指しています。
新たな技術の概要
今回受賞した技術は、エンジンの重要な部品であるカムシャフトの研削加工に関するものです。この技術では、エンジン内の混合気の流入量を制御するために、凹形状のカムプロフィールを実現します。これにより燃焼効率は飛躍的に向上し、自動車の燃費向上にも寄与しました。
具体的には、静圧スラスト軸受を活用し、砥石軸の小型化を達成する技術が評価されました。従来の静圧軸受では、十分に小型化することが難しかったのですが、本技術によって空間効率が大幅に改善され、凹形状カムの生産が可能となりました。
開発者の声
発明者の代表である大津雄太さんは、この受賞を通じて「お客様が必要とする高付加価値部品を提供できるよう、流体軸受技術を深化させてきた」と述べています。また「今後は新たな発明を進めるとともに、発明価値を最大化する努力を続けます」と強調しました。今回の発明は、世界中のHEVやPHEVに搭載され、多くの人々の生活を支えるものであることから、その重要性が理解されています。
今後の展望
受賞を機に、ジェイテクトは今後も技術革新を進め、持続可能なモビリティ社会の実現に貢献していく意志を示しています。そのためにも、技術の継続的な改善と新たな挑戦が求められます。こうして新しい発明を後世に引き継いで行くことで、さらに多くの高付加価値なモビリティソリューションを提供することを目指しています。
愛知発明表彰の意義
愛知発明表彰は、技術者や研究開発者の士気向上と県内の発明振興を目的としており、1980年度から実施されています。毎年6月に開催される表彰式では、地域で優れた発明を行った個人や団体が表彰され、技術革新を促進しています。ジェイテクトの受賞も、愛知県の技術力を示す一つの証といえるでしょう。
このように、ジェイテクトの新技術が愛知発明賞を受賞したことは、技術革新と地域社会への貢献に対する大きな評価であり、今後さらに多くの革新的な技術が誕生することが期待されます。