金沢文庫にオープンした発達障害支援寝具の新展示スペース

金沢文庫の新たな取り組み

金沢文庫に新しく設けられた展示スペース「カームC.A.L.M」が注目を集めています。この施設は、発達障害や知的障害を抱える方々を支援するために設置されたもので、特に不眠に悩む方々に向けた福祉用寝具「チェーンブランケット」を体験できるコーナーが設けられています。

チェーンブランケットとは？

チェーンブランケットは、スウェーデンで開発された新しいタイプの寝具です。特殊な金属製のチェーンが内蔵されており、その重さが身体に心地よくフィットすることで、安心感を与えます。整形外科製品としての特性を持つこのブランケットは、精神的な落ち着きを促し、不眠の改善に大いに役立つとされています。

特に、この展示コーナーではシングルサイズが4kgから14kgまで揃っており、利用者の感覚的な不安の度合いに応じて選ぶことが可能です。中でも、初めて使用する方にも取り入れやすい8kgのチェーンブランケットが特に推奨されています。体重が心地よくかかる実感は、リラックスした環境を提供し、不安感を緩和する効果があります。

展示の背景

ラーゴム・ジャパン株式会社は、福祉機器の普及と発達障害者支援に長年取り組んできた企業です。社会福祉法人横浜市リハビリテーション事業団からの呼びかけに応じ、神奈川の特別支援学校でも展示を行ってきました。今回の「カームC.A.L.M」のオープンは、公共の場で発達障害者支援機器がより多くの方々に認識される契機となることを願っています。

展示コーナーの設備

「カームC.A.L.M」には、訪問者が実際にチェーンブランケットを使用してその効果を体感できるよう、介護用のベッドが設置されています。ここで横になってリラックスすることで、自身に合った重さや使用感を確認することができます。また、このベッドは介護が必要な方だけでなく、誰でも自由に利用できます。

展示を訪れた方々には、チェーンブランケットのパンフレットや、住まいづくりに役立つ情報が提供されるコーナーも併設されています。ここでは、暮らしに役立つ支援グッズや、関連書籍の情報が收集できるよう工夫されています。

筋力と清潔さを兼ね備えた

チェーンブランケットは洗濯機で丸洗いが可能で、清潔を保つのも容易です。従来の重いブランケットには、重みの偏りや洗濯の難しさといった課題がありましたが、このチェーンブランケットはそうした問題を解消しています。これにより、長時間の使用が可能となり、発達障害や知的障害を持つ方々にとっての身体的・精神的な負担の軽減が見込まれます。

「カームC.A.L.M」のオープンによって、金沢文庫は大きな変革を迎えつつあります。福祉用寝具の重要性をより多くの人々に知ってもらい、支援を必要とする方々の生活を少しでも楽にするためのこの取り組みは、今後も要注目です。