悪天候の日でもショッピングモール訪問が歩数を増加させる
近年、悪天候による身体活動の減少が問題視されています。千葉大学の予防医学センターに所属する研究チームは、全国18,666人の歩数データを分析し、ショッピングモールの訪問が悪天候における歩数減少をどれだけ抑制できるかを調査しました。
この研究の結果、モール訪問日は非訪問日よりも平均1,269歩多く歩かれることが確認されました。また、寒冷や猛暑、降雨、積雪、強風といった悪天候条件では、さらに歩数が増加することが分かりました。特に、寒冷時には94歩、猛暑時には37歩、降雨時には83歩、積雪時には156歩、強風時には19歩の増加が確認され、高齢者や人口密度が低い地域に住む人々においてこの傾向がより顕著でした。
研究の背景
気候変動がもたらす極端な天候は、私たちの生活や健康にさまざまな影響を及ぼします。特に、気温が低い日や降雨が続く日には、屋外での活動が制限され、歩数が減少することが知られています。歩数が減少してしまうと、死亡リスクや認知症リスクが高まる可能性があるため、そうした環境下でも歩行を促進できる場所の確保が決定的に重要です。
ショッピングモールの役割
ショッピングモールは、屋内で快適な歩行環境を提供することから、悪天候の影響を受けにくい場所として注目されています。同研究の結果、モールが悪天候にいても身体活動を維持する手段として有効であることが示されました。特に、モール内での移動だけではなく、モールへのアクセスやそこからの目的地への移動も歩数を増やす要因として考えられます。
研究の方法と結果
この研究は、2022年秋から2023年にかけて進められ、144店舗のショッピングモールでアプリを使用した18,666人が対象となりました。1年間の日別の歩数データを、天候データと照合し分析しました。
解析の結果、悪天候が歩数に与える影響を確認する中で、悪天候の日には一般的に歩数が減少するという傾向が浮かび上がりました。しかし、モールを訪れることでその減少が抑えられるということが分かり、特に高齢者や非都市部の居住者にとって大きなメリットがあると観察されました。
今後の展望
この研究から得られた知見は、ショッピングモールが悪天候や猛暑などの厳しい気象条件においても、住民の身体活動を維持するのに重要な場所であることを示しています。さらに、この成果は今後の都市デザインにも大きな影響を与える可能性があります。モール以外の公共施設、例えば図書館や市民センターでも同様の効果が見られるかどうかは今後の課題です。
結論
悪天候が続く次世代の都市環境において、ショッピングモールのような安全で快適な屋内施設は、身体活動の促進に果たす役割がますます重要になってくるでしょう。今後の研究や実践によって、さらに多くの人が健康的な日常を維持できることが期待されます。