新教材「実践!サバイバルナイト」の概要
東京ガス都市生活研究所は、在宅避難に向けた新しい防災教材「実践!サバイバルナイト」を発表しました。この教材は、ライフラインの停止に備えるため、日々の備えを見直すきっかけを提供することを目的としています。特に、首都直下地震や南海トラフ地震のような大規模災害が懸念される現在、避難所ではなく自宅での避難を考える重要性が高まっています。
背景と必要性
東京都では約310万人が避難所に収容可能であるものの、それでは都民の5人に1人程度しか受け入れられない状況です。そのため、内閣府のガイドラインでも在宅避難の重要性が説かれています。また、新型コロナウィルスの影響で避難の方法が見直され、より安全で快適な避難方法として「在宅避難」に焦点が当てられています。
教材の特徴
今回発表された「実践!サバイバルナイト」は、東京家政大学との協力により開発されました。この教材では、自宅で一晩過ごしながら実際の備えを体験することで、ライフラインが停止した場合でも生活を乗り越える力を育むことを目指しています。教材は、電気、ガス、水道、通信の具体的な備え方を想定した内容になっており、受講者が防災に対する理解を深めることができます。
最新の調査結果
同研究所が行った調査によると、在宅避難に関する最も大きな不安は「トイレが使えないこと」と「ライフラインの停止」であり、実際に在宅避難の備えをしている人はわずか30%に過ぎないことが明らかになりました。これに基づき、本教材は特にトイレやライフラインに対する対策に焦点を当てています。
教育の効果
東京家政大学での全4回の授業を通じて、教育を受けた学生のうち「日頃から備えている」割合が約36%向上したことが確認されました。特に、電気、ガス、水道、通信に関しての備えが約7割に達し、実施した授業が大きな効果を持ったことが裏付けられています。
料理を通じた学び
また、サバイバルナイトに参加した学生は、実際に在宅避難を想定した食事作りに挑戦しました。教育前は栄養や日持ちを重視していましたが、実践後は「味のバリエーション」や「あたたかい食事」に焦点を移すようになりました。この体験を通じて、食事の重要性や味の楽しみを再認識する機会となりました。
まとめ
「実践!サバイバルナイト」は、防災に関する行動変容を促すための重要な教材です。これを通じて、いざという時に備えた行動を学び、地域社会全体の防災力を高めるきっかけとなることが期待されます。詳細については東京ガスの公式サイトをご覧いただき、ぜひこの機会に防災について考えてみてはいかがでしょうか。