新型ジブクレーン「CSH36-6」の登場
東京都品川区に本社を置く株式会社加藤製作所は、鉄塔建設作業に特化した2.8t吊り組立定置式ジブクレーン「CSH36-6」の販売を2025年6月から開始する。この新型クレーンは、特に安全性と作業性を重視して開発された製品であり、近年増加する再生可能エネルギー関連の工事に対応するための進化を遂げている。
開発の背景
近年、日本国内での再生可能エネルギーの導入が加速しており、遠隔地に設置される発電施設への送電ルートの整備が急務となっている。さらに、全国に存在する送電線設備が老朽化しているため、新設や建替工事が検討されている。
このような背景の中、従来のクレーンは1990年代の工事需要のピークによって導入されたものが多く、現在そのほとんどが耐用年数に達し、現場で使用できる機体が不足している。加藤製作所は、この課題に対応するため、新型ジブクレーン「CSH36-6」の開発に取り組んだ。
「CSH36-6」の特長
新型ジブクレーン「CSH36-6」は、アウトリガーやロワーフレーム、パワーユニット、運転席ユニットを全面的にリニューアルした。この刷新により、特に山岳地や傾斜地での作業が容易になり、効率的な組立・分解が可能となった。以下に本機の主な特長を紹介する。
安全性の向上
・特別教育を受講すれば運転が可能で、クレーン運転に必要な免許は不要。
・2つの作業範囲制限装置を設定(新規オプション)。
作業範囲を水平、垂直方向で制限し、作業の安全性を向上。
操作性の向上
・新型ラジコンが標準装備で、オペレーターの負担軽減を実現。
・ウインチが2速仕様になり、スピーディーな作業が可能となった。
・大径溝付きウインチドラムを標準装備し、巻上・巻下の操作性を向上させている。
構造的な改善
・各部の組付けにピン方式を採用し、組立性を向上。
・旋回ベアリングの取付構造を見直し、組立作業の時間短縮を図っている。
・運転席ユニットを簡素化し、動線も改善されたことで工数が削減されている。
環境に配慮した設計
加藤製作所は、持続可能な社会の実現に向けて、インフラ整備に貢献する製品を提供することを目指している。新型「CSH36-6」は、輸送性の向上にも配慮されており、クレーン本体の軽量化に成功。索道やヘリコプターでの運搬もしやすくなった。
製品概要
- - 商品型式:CSH36-6
- - 発売日:2025年6月
- - 標準小売価格:40,000,000円(税別)
- - 年間販売目標:20台
会社概要
株式会社加藤製作所は、1935年に設立され、建設用クレーンや油圧ショベル等の製造と販売を行っている。最新のクレーン「CSH36-6」を通じて、今後も業界におけるイノベーションを牽引していくことを期待したい。
詳しい情報は公式サイト(
加藤製作所)を参照されたい。