配筋検査ARシステムBAIASのリニューアル
配筋検査を行う際の労力を大幅に軽減するARシステム「BAIAS」が、来年の2025年7月1日に大規模なリニューアルを実施することが発表されました。開発を手掛けるのは北海道札幌市に本社を置くエコモット株式会社、東京都千代田区の株式会社GRIFFY、そして大阪市に拠点を置く村本建設株式会社の三社です。今回のリニューアルは、配筋検査業界における生産性向上と効率化のための重要な一歩とされています。
リニューアルのポイント
1. UIデザインの刷新
新しいユーザーインターフェース(UI)は、アプリケーションのロゴから全てのデザイン要素を見直し、視認性の高いアイコンと直感的なレイアウトを採用。これにより、初めてのユーザーでも簡単に操作でき、現場での迅速な検査を支援するインターフェースが実現されました。
2. 効率的なデータ管理機能
リニューアルでは、クラウド上に計測データを保存するための新機能も追加されました。この新機能によって、現場で使用するiPad Proは計測に特化し、作業者が検査に集中できる環境が整います。データ管理が管理者に一元化されることで、現場とバックオフィスの情報連携が強化され、データ管理の負担が大幅に軽減される見込みです。
今後の展望
リニューアルにあたっては、引き続きUIの改善が求められています。また、多様な検査ニーズに応えるため、技術開発を継続し、さまざまな写真管理ツールやBIM/CIMツールとのデータ連携の促進も計画しています。これにより、BAIASは更なる進化を遂げ、建設現場のデジタル化を加速させていくでしょう。
BAIASとは
BAIASシステムは、鉄筋コンクリート構造物の配筋検査をより簡単に行える画期的なテクノロジーです。iPad Proに搭載されたLiDARセンサーとカメラを駆使し、鉄筋の本数や間隔、径(太さ)を正確に計測します。国土交通省の指針に従った全計測項目に対応しており、すでに200以上の現場での導入実績があります。
主な機能
- - 設計図と計測結果を比較する帳票出力機能
- - 複雑な配筋に対応するダブル配筋計測機能
- - 効率的な検査を実現するための鉄筋かご計測機能
- - 「重ね継手長」や「定着長」の計測に適した2点間計測機能
- - 現場状況に応じてレイアウトを自由に変更可能な電子小黒板機能
BAIASは通信環境がない場所でも使用可能であり、一度に広範囲のデータを計測できるため、配筋検査においての生産性向上が期待されています。今回のリニューアルを通じて、さらに多くの現場での採用が促進され、建設業界全体のデジタル化が進むことでしょう。
会社概要
エコモット株式会社は2007年に設立され、IoTソリューションを専門とする企業です。様々な分野でセンサー技術を活用した製品を提供し、顧客のニーズに応じたカスタマイズを行っています。GRIFFYは建設業界向けに特化したDXプロジェクトを推進しており、村本建設も長い歴史を持つ全国規模の建設業者です。
これらの三社が共同で作り上げるBAIASは、今後も建設現場のデジタル化を支える重要なツールとして期待されていきます。