アルピコ交通が新たに導入したAI技術「アイブリー」
長野県を中心にバスや観光事業を展開する
アルピコ交通が、対話型音声AI SaaS「
アイブリー」の導入を開始しました。この新たな技術は、公共交通事業における業務効率化と、地域住民や観光客からの問い合わせ対応の改善を目指しています。アルピコ交通では、長年にわたって抱えていた「電話応答の負担が大きい」といった問題を解決するため、AIを活用することになりました。
導入の背景
長野営業所では、公共交通のインフラを担う中で非常に多くの問い合わせが寄せられていました。特に「時刻の確認」「運賃について」「忘れ物対応」に関する電話が多く、応答しきれない状況が続いていました。これは、慢性的な人手不足に拍車がかかり、緊急の連絡が通じないリスクを抱えることにもなり、業務運営に支障をきたしていました。
AIによる自動化の効果
「アイブリー」の導入によって、電話対応の8割を自動化し、業務の大きな改善を実現しました。具体的には、AIが電話内容を録音し、文字起こしを行い、その情報を基にして問い合わせ内容の解析を行っています。この機能により、問い合わせ件数や内容を可視化し、折り返し対応や人員配置を最適化することができるようになりました。
忘れ物対応の効率化
また、忘れ物の対応フローが大幅に効率化されました。お客様から忘れ物の情報を音声で入力し、それを文字起こしすることによって、管轄営業所が直接折り返し対応を行うことが可能になっています。これにより、従来かかっていた確認作業の時間を短縮し、お客様をお待たせせずに案内できるようになったのです。
今後の展望
今後、アルピコ交通では人手不足や業務効率化の推進を続け、デジタルトランスフォーメーション(DX)を通じて運行管理体制の強化を図っていく予定です。AIを用いることで、顧客体験の向上と業務の効率化を両立させることを目指しています。公共交通を支える企業として、地域社会への持続可能な交通環境の構築貢献も視野に入れています。
アルピコ交通の声
アルピコ交通の長野営業所の所長、植松 誠氏は「アイブリーの導入により、営業所に鳴り響いていた電話が大幅に減少した。これまでの約8割を自動化することで、運行管理業務への集中が可能になった」と話します。特に忘れ物対応については、以前に比べて迅速にお客様に対して対応できるようになったと語っています。
株式会社IVRyの期待
アイブリーを提供する株式会社IVRyの代表取締役/CEO、奥西 亮賀氏は「アルピコ交通様にアイブリーを導入いただけたことを誇りに思います。これからも公共交通の現場を支える存在として、業務の効率化とサービス向上に努めていきます」と強調しました。
さいごに
24時間の稼働が可能なAI技術により、アルピコ交通は業務の効率化を実現しつつ、地域住民と観光客のニーズに応えていける体制を整えていくことでしょう。これからの公共交通事業において、AIの導入はますます重要な役割を果たすと期待されています。