株式会社ジェイテクト(JTEKT)は自動車の電動パワーステアリングに関する先進的な技術を活用し、ドローンの姿勢制御を行う「フライトコントローラー」の開発に取り組んでいます。この新しい開発は、同社が目指す「モノづくりとモノづくり設備でモビリティ社会の未来を創るソリューションプロバイダー」というビジョンの実現に向けた重要な一歩です。
開発の背景
現代社会では少子高齢化や人口減少、インフラの老朽化など多くの課題が存在します。これらの問題に対処するため、ドローンの活用が増加しており、特に信頼性の高い国産ドローンに対するニーズが急速に高まっています。
ジェイテクトは、2022年からドローンの運動性能を向上させるためのソリューションとして、高耐熱リチウムイオンキャパシタ「Libuddy®」を提案しており、ドローンメーカーとの連携を強化してきました。これにより、ドローンの性能向上をさらに推進するべく、自社の技術を活かしたフライトコントローラーの開発を進めています。
製品の概要
今回開発されるフライトコントローラーは、マルチローター型ドローンに搭載されることで、安定した飛行を実現します。このドローンは複数のプロペラの回転数を精密に制御することにより、安定した姿勢を維持する必要があります。
ジェイテクトはその経験から得たモーター制御技術を用いて、姿勢設計や安全性に関する要求を満たす製品を提供します。新たに開発したシステムは、突風の影響を受けにくく、高い姿勢安定性を兼ね備えていることが知られています。さらに高耐熱リチウムイオンキャパシタLibuddy®との相乗効果によって、ドローンの性能を一層引き上げることが期待されています。
今後の展望
ジェイテクトは、ドローン関連のスタートアップ企業プロドローンとの協力を進めており、フライトコントローラーの性能を評価するための継続的な飛行試験や様々な要素試験を行っています。これらの試験を通じて、ドローン市場および社会に対するさらなる貢献を目指し、フライトコントローラーの量産と販売に向けた取り組みを進めています。
サステイナビリティへの取り組み
ジェイテクトは企業理念として「地球のため、世の中のため、お客様のため」を掲げており、今回のドローン姿勢制御システムを通じて、2035年には「オールジェイテクトによるカーボンニュートラル達成」を目指しています。
この新しい技術の発展により、産業と技術革新の基盤を整えることが期待され、ジェイテクトの取り組みは持続可能な開発目標(SDGs)にも寄与するとされています。今後の展開が待たれます。