福岡県福津市、給食牛乳選択制で家族の選択肢が広がる！

福岡県福津市、給食牛乳の選択制が導入へ

福岡県福津市では2025年度から、小中学校における給食の飲用牛乳について、アレルギーや乳糖不耐症の診断書がなくても停止できる制度が開始されます。この新しい制度は、特にさまざまな理由から牛乳を摂取したくない家庭にとって大きな助けとなるでしょう。

福津市では学校給食だけでも年間5万本以上の牛乳が廃棄されており、この新制度によってその無駄が軽減されることが期待されています。導入の背景には、2024年10月に「学校給食における牛乳の選択制に関する請願」が市の教育委員会で採択されたことがあります。これは行政に対する市民の意見表明によるもので、年齢や住居地に関わらず誰でも行える活動です。過去には、2022年に東京都多摩市で採択され、2023年から同様の制度が導入されています。

牛乳を選択制にする理由

では、一体なぜ牛乳が選択制にされる動きが広がっているのでしょうか。実は、日本人を含むアジア人の約90%が乳糖を分解しにくい体質であることが分かっています。こうした状況を踏まえて、牛乳の選択制導入が進んでいるのです。

日本では学校給食で牛乳がほぼ義務として提供されており、これは戦後アメリカの食文化が影響を与えた結果とも言われています。結果として、多くの子どもたちが無理に牛乳を飲まされ、体調を崩すケースも少なくありません。実際、福津市のある小学校では、牛乳を飲んで腹痛を訴える子どもが多くいたとのことです。

学校給食の牛乳に関する嬉しい知らせ

牛乳選択制が導入されるというニュースを聞いた生徒たちの反応は喜びに満ちていました。ある生徒は、「牛乳、飲まんでもよくなるって！今まで嫌いなのに我慢して飲んでたから、ものすごく嬉しい！」と話していました。このように、牛乳を拒否できる制度が子どもたちに安心感をもたらしています。

牛乳を断る理由は一様ではありません。アレルギーや乳糖不耐症のため飲めない子もいれば、単純に好き嫌いもあるためです。日本食と牛乳の組み合わせが合わないことを理由にする家庭も多く、牛乳嫌いに対する理解が求められています。給食での牛乳提供は、1日のカルシウム摂取量を補うためですが、実は胡麻や他の食品にも豊富に含まれているため、牛乳にこだわる必要は必ずしもありません。

牛乳生産の現実

加えて、牛乳生産に関する知識が広まる中で、動物福祉に配慮した意見も増えてきました。福津市の請願活動を起こした高橋有希氏によれば、「日本では毎年約4万頭の母牛が妊娠させられ、その子供は引き離されたり、食肉用にされたりします。」このような現実を知り、抵抗を感じる人々が増加しています。

学校給食の牛乳選択制の動きは、福津市の他にも、宗像市、鹿児島市、神戸市などでも進行中です。福津市で請願を行った高橋氏は、教育委員会への請願が意外とスムーズに進むことを実感し、「この制度が全国へ広がることで、牛乳の無駄を減らしながら、子どもたち自身が飲み物を選ぶ力を育てられる」と期待を寄せています。

2024年10月、福津市の教育委員会での定例会において、給食牛乳選択制の請願が正式に採択されました。これからも多くの地域で、子どもたちが安心して給食を楽しむための制度が進化することが期待されます。