婚約破棄を引き起こした姉妹の絆と葛藤を描くコミックの魅力

新たなコミックが描く姉妹の複雑な感情

2025年8月15日、株式会社飛鳥新社から配信されるコミック『妹なんか生まれてこなければよかったのにーきょうだい児が自分を取り戻す物語ー』が注目を浴びている。この作品は、婚約者の母からの反対により婚約破棄となった主人公・透子の物語であり、障害を持つ妹・桃乃との関係性が大きく影響を与えている。透子は家庭内での妹の世話を一手に担う母の影響や、両親の関係にも悩む日々が描かれており、複雑な心情がリアルに表現されている。

物語の背景

物語は、大学時代から付き合っていた婚約者・洸平との両家顔合わせの日に始まる。洸平の母が桃乃を理由に婚約を反対し、透子は突如として婚約破棄の憂き目に遭う。このような出来事により透子は、妹である桃乃に対して苦悩の感情を抱くようになる。

「きょうだい児」の理解

『きょうだい児』という言葉は、障害のある兄弟姉妹を持つ人々を指し、彼らが直面する様々な課題を反映している。多くの「きょうだい児」は、障害のある兄弟姉妹の世話を期待されることがあり、その影で自身の感情や欲求が抑圧されることが多々ある。本作は、このような状況下で「きょうだい児」が抱える葛藤をリアルに描くものである。

SNSと「きょうだい児」の声

最近、SNS上では「きょうだい児」の体験が大きく取り上げられ、多くのユーザーが自身の心の叫びを投稿している。彼らの言葉は共感を呼ぶ一方で、多くの批判も受けている。意見の相違が生じることで、「きょうだい児」の問題が注目されるようになり、このコミックがそのリアリティを伝える一助となることが期待されている。

監修者の思い

コミックの監修者は、自身も「きょうだい児」であることを踏まえ、作品が伝えるべき真実について悩みを明かした。障害のある兄弟姉妹との愛憎の感情について、無条件の愛だけでなく、葛藤や苦悩もある事実をしっかりと描写することの重要性を強調する。この監修者の意見は、物語に深みを与えており、読者の共感を得る要素となっている。

著者の励ましの言葉

著者のうみこは、障害がある兄弟姉妹と一緒に育つことの複雑さを丁寧に描き出している。幼少期からの経験を通じて、透子が抱える感情を理解し、読者に向けて「それでも自分自身を大切にしてほしい」というメッセージを伝えたいと語っている。

作品情報

このコミックは、電子書籍として2025年8月15日に配信され、同年8月26日には紙書籍としても発売される。著者であるうみこは、社会福祉士免許を持ち、福祉の現場における経験を活かした作品制作を続けている。作品は今後、新たな視点をもたらす一助となることが期待され、特に「きょうだい児」の問題が社会全体で受け止められるきっかけとなることを願っている。