NECは、2024年度の日本DX大賞において「特別賞」を受賞しました。受賞対象となったのは、同社の「サイバーセキュリティダッシュボードによるデータドリブンなセキュリティカルチャー変革の取り組み」です。この取り組みは、データ駆動型のアプローチによってセキュリティ文化を進化させ、組織全体のセキュリティレベル向上に貢献したことが高く評価されました。
日本DX大賞は、日本のデジタルトランスフォーメーション(DX)推進を加速させるために、優れたDX事例を発掘し共有することを目的としたコンテストです。NECは、132件の応募の中から「マネジメントトランスフォーメーション部門」にファイナリストとして選出されました。この部門は、組織文化や意思決定に関わるワークフローや業務プロセスの変革に取り組んだプロジェクトを対象としており、NECの取り組みは戦略性、データとテクノロジーの活用、浸透度、成果の4つの観点から評価されました。
NECは、データファクトに基づいた実行型のセキュリティカルチャー変革を目指し、「サイバーセキュリティダッシュボード」を開発しました。このダッシュボードは、経営層を含むグループ全社員に共通言語でリスクと脅威を可視化することで、迅速な意思決定と自律的な対策を促進します。
その結果、第三者機関によるセキュリティ評価のレーティングスコアが100点以上向上し、ランサムウェア被害のリスクが1/6以下に低減しました。さらに、全社教育にも活用することで、社員のセキュリティ意識が大幅に向上しました。
NECは、今後も「サイバーセキュリティダッシュボード」を活用し、セキュリティパフォーマンスの可視化を強化することで、社員全員参加型のセキュリティ強化を推進していきます。また、社内で培った知見を「クライアントゼロ」の考えのもと、お客様や社会に還元していく方針です。具体的には、データドリブンなセキュリティマネジメントのノウハウを活かした「データドリブンサイバーセキュリティサービス」を提供し、お客様のセキュリティ業務のDX促進を支援していきます。
NECが日本DX大賞で「特別賞」を受賞したことは、同社のデータ駆動型セキュリティへの取り組みが社会的に高く評価されたことを示しています。セキュリティダッシュボードという具体的なツールを用いて、経営層から一般社員まで、あらゆる層の意識改革と行動変容を促した点が画期的です。
従来のセキュリティ対策は、専門部署が中心となって行われることが多く、社員全体の意識が低く、対策への協力が得られないケースも少なくありませんでした。しかし、NECの取り組みは、データに基づいた可視化によって、セキュリティリスクを全員で共有し、問題意識を高めることに成功しています。
さらに、ランサムウェア被害リスクの低減やセキュリティ評価スコアの向上など、具体的な成果も出ている点は大きな成果と言えるでしょう。
今回の受賞は、NECがセキュリティ分野におけるイノベーターとしての地位を確立したことを示唆しています。今後、同社が培ったノウハウを社会全体に広げ、サイバーセキュリティの強化に貢献していくことを期待しています。