セミナーレポート:顧客ロイヤリティ向上戦略の最新知見
2025年3月10日、東京都千代田区のシャングリ・ラ 東京で、株式会社イー・エージェンシーとAmplitude, Inc.による共催セミナー「最新AIによる顧客ロイヤリティ向上戦略:データ×AIで拓く顧客体験」が開催されました。このセミナーでは、AIを用いた顧客行動データの活用方法や、それによる顧客体験の最適化について、業界の専門家が集まり知識を深めました。
セミナーの背景と目的
企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)が進む中、単なる業務の効率化だけでなく、顧客起点の価値創出が求められています。そのため、本セミナーでは日本とアメリカの企業における顧客起点の価値創出の違いを明らかにし、Amplitudeのプラットフォームを活用した顧客行動の分析およびロイヤリティ向上策についてディスカッションが行われました。
セミナーの構成
セミナーは以下のようなプログラムで進行しました。
1.
開会挨拶 - イー・エージェンシー取締役 藪本 秀之氏
2.
基調講演 - 甲斐 真樹氏による「デジタルトランスフォーメーションの現在地~日米比較の文脈から読み解く。いまこそ顧客起点でアクションする~」
3.
トークセッション - 津久井 英樹氏(Amplitude)と竹内 良郎氏(イー・エージェンシー)のディスカッション
4.
特別講演 - 越智 道夫氏(ミイダス)による実務経験の共有
5.
閉会挨拶 - 仁枝 かおり氏(Amplitude)
6.
交流会
基調講演のポイント
イー・エージェンシーの甲斐氏は、長年の経験を基に、顧客起点の価値創出を実現する企業の割合がアメリカでは約70%に対し日本は約30%に留まっていることを示しました。さらに、DX投資が主に業務のデジタル化にとどまり、全体を横断的に変える真のDXに至っていないことに警鐘を鳴らしました。甲斐氏は、2030年に向けてこれは日本企業にとっての重要な課題であり、真の顧客起点のDXの元年がこれからくると予測しました。
トークセッションのハイライト
Amplitudeの津久井氏と竹内氏のセッションでは、Amplitudeの背景や技術的な強みが説明されました。特に、独自に開発されたユーザー行動分析のツールが、如何にして顧客の行動を可視化し、企業が効率的に施策を実施できるようにしているかが語られました。また、デモ演示を通じて具体的な機能も紹介され、ユーザー行動の理解がマーケティング施策にいかに役立つかが強調されました。
特別講演の知見
特別講演には、越智氏が登壇し、Amplitudeを導入予定の企業の視点からデータ分析の重要性や具体的な事例について共有しました。彼は、短期的なKPIだけでなく、長期的な市場戦略においても顧客行動の分析が重要であると強調しました。特に、Amplitudeにより分析作業が自動化され効率が大幅に向上することが述べられ、マーケターが注力すべき領域についての期待が寄せられました。
セミナーのまとめ
最後に、仁枝氏は日本がデジタル競争力を高めるために顧客起点でのDXを真剣に進める必要がある旨を呼びかけました。昨年は多くの企業がDXの第一歩を踏み出した年であり、今年はその成果が実を結ぶ年になりうると展望を述べました。セミナー参加者にとっては、AIとデータを活用した顧客ロイヤリティの向上戦略を具体的に学べる貴重な機会となりました。