宇宙戦略基金による衛星データ利用加速化事業
近年、宇宙技術の進展は目覚ましく、特に小型衛星の開発とその利用が進んでいます。しかし、この分野には依然として克服すべき課題が存在しています。それは、衛星間に見られる機体の差異や経年変化に伴うデータ品質や精度の散逸です。国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)が公募する「宇宙戦略基金(第二期)」において、5つの企業が連携し、衛星データ利用システム実装の加速化を目指すプロジェクトが採択されました。
プロジェクトの概要
この技術開発事業は、一般財団法人リモート・センシング技術センター(RESTEC)を中心に、パスコ、New Space Intelligence(NSI)、アクセルスペース、Synspectiveという5社が参画しています。主な目的は、国産小型衛星データの利用を促進するための評価・校正・検証・補正手法を開発し、データを取り扱う環境を整えることです。プロジェクトは2026年3月13日に採択され、数年にわたって進められます。
技術開発の4つのステップ
1.
一元的評価手法の構築: 国産小型衛星に特化したデータ評価手法を確立します。
2.
複合利用の校正・検証手法: 複数の衛星データを組み合わせた際の校正や検証、および補正を進める技術を開発します。
3.
精度向上のための手法: 大型衛星の手法を応用し、精度向上を目指します。
4.
利用環境の整備: 利用者向けに解説書を作成し、衛星データの使用を促進する環境を整えます。
これにより、データの品質や特性を考慮した利用が可能となり、さまざまな衛星データの高精度利用が実現します。
各社の役割
- - RESTEC: プロジェクト全体の統括と評価・校正・検証・補正手法の開発。
- - パスコ: 幾何学的手法による評価と環境整備を担当。
- - NSI: 光学センサにおける評価・校正・検証手法の開発。
- - アクセルスペース: 光学センサの校正検証手法を専門に扱う。
- - Synspective: SARセンサの校正検証手法の開発を担います。
研究代表者のコメント
プロジェクトの研究代表者であるRESTECの樋口理子氏は、「このテーマが採択されたことを非常に嬉しく思います。国が進める大型衛星の校正検証技術を継承しながら、誰もが安全に衛星データを利用できるような技術開発に尽力します」と述べています。
このプロジェクトが成功すれば、国産小型衛星データの国際的な競争力を高め、利用市場の拡大に寄与します。さらに、宇宙活用による地球規模の社会課題の解決に向けて、大きな一歩を踏み出すことになるでしょう。