環境意識の世代間ギャップが浮き彫りに
国連が採択した持続可能な開発目標(SDGs)が今年、10周年を迎えました。花王株式会社による最新の調査では、人々のSDGsに対する認知度が顕著に向上している一方で、環境への日常的な行動が減少している実態が浮かび上がりました。この結果は、環境月間に合わせて公開され、環境問題への意識を再確認させる契機となるものです。
認知度82%の内訳
調査によれば、SDGsに対する認知度は82%に達しました。これは2019年の調査結果が65%だったことを考えると大きな進展です。約7割の人々がテレビを情報源として利用し、学生に至っては56%が学校からの学びを重視していることがわかりました。しかし、認知度の向上に反して、環境への貢献意欲は減少傾向にあることが問題視されています。
特に既婚男女(20〜60代)は環境問題に高い関心を持っていますが、未婚男女(20〜30代)は貧困や飢餓などの社会的なテーマにも目を向けているようです。しかし、環境分野における関心は減少しており、特に「海の豊かさを守ろう」や「陸の豊かさを守ろう」といった項目での評価が低下しています。
世代間の行動の差
この調査からは、20〜30代と40〜60代の環境に対する意識と行動に大きなギャップがあることが明らかになりました。40〜60代はほとんどの項目で過半数以上が実行しているのに対して、若い世代の実践率は低く、特に「エコバッグの持参」については54%が実行していますが、それ以外の環境施策では多くが20%未満でした。ただ、若い世代からは「環境問題は大きすぎて解決できない」という意見が多く、やる気を削ぐ要因となっているようです。
特に「環境にいいことは、みんなでやらないと意味がない」と感じる人が多い中で、地域におけるつながりが薄れている現代の社会でその意識がどう影響しているのかという分析は興味深いものです。
環境活動の習慣化
環境に配慮した行動を取るためには、「習慣化」が鍵です。調査の結果、環境活動を継続するためのポイントとして挙げられたのは以下の3つです。
1.
環境にもお財布にもやさしい: 電気のムダを減らし、フードロスを防ぐよう心掛けています。
2.
環境に良い製品を選ぶ: 日焼け止めなども環境負荷の少ないものを選び、意識的に商品を選ぶようにしています。
3.
ものを長く使う: 家電や家具は長持ちするものを選び、できる限り修理して使っていく姿勢が重要です。
これらのポイントを具体的に理解し日常生活に取り入れることで、環境に対する意識も変わるかもしれません。実際に取り組んでいる人の工夫や発見は貴重な参考になります。
次世代に何ができるか
SDGsの10周年を迎え、多くの人にその内容が浸透してきましたが、難しさも同時に感じます。多忙な日常の中で、環境活動が後回しになりがちですが、日常的な小さな行動が継続的には大きな影響を持つことも再認識する必要があります。2030年の達成期限を考えると、今こそ自分ができることをもう一度思案し、次世代に託すための行動を考え直すべきではないでしょうか。
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