次世代車の普及を考慮したCO₂排出量試算
一般財団法人トヨタ・モビリティ基金(TMF)が推進するプロジェクトが、2040年までに日本の地方自治体が目指す「2050年カーボンニュートラル」の実現に寄与する動きが進んでいます。TMFは2024年から、次世代の自動車の普及や燃料生産プロセスを考慮した二酸化炭素(CO₂)排出量の試算に取り組んでおり、この度、八千代エンジニヤリング株式会社と共同で得た成果が発表されました。
研究の背景
2020年、政府は「2050年カーボンニュートラル」の宣言を行い、環境意識が高まる中、多くの自治体がCO₂削減計画の策定を急がされています。しかし、従来の算出方法では次世代車の普及状況や燃料生産段階でのCO₂排出量を正確に評価することが難しいという課題がありました。そこで、TMFは新たなCO₂排出量試算手法を開発し、自治体が自らの施策を客観的に評価できる材料を提供しています。
試算手法の詳細
本手法の特徴として、以下の3つの主要要素が挙げられます。
1.
燃料生産過程:走行時だけでなく、燃料精製、輸送、供給などの過程を考慮し、実際の排出量をより正確に評価できます。
2.
旅行速度によるCO₂排出量変動:交通渋滞時の低速度による排出量の増加と、最適速度での排出量をそれぞれ評価し、交通情勢の変化に適した評価を行います。
3.
地域ごとの車種・燃料構成:AI画像解析システム「TRAVIC」を使用して地域ごとの車両データを収集し、次世代車の普及状況を把握した上での評価が可能です。
評価結果
TMFは、山口県の周南市、福岡県の糸島半島エリア、鹿児島県の肝属郡肝付町の3地域において、上記の手法で得られたCO₂排出量削減施策の評価を実施しました。それぞれの地域で、旅行速度を改善することで約3%(周南市、肝付町)や約6%(糸島半島エリア)のCO₂削減が見込まれることが分かりました。また、小型ガソリン車を小型BEV(バッテリー電気自動車)に転換する施策では、CO₂排出量が約48〜50%も減少する期待があります。
この結果は、自治体が実行可能な施策を選定するための指針となります。今後は、次世代車の実走行データをより詳細に収集し、試算精度を向上させることで、さらなる施策比較評価を行い、プロジェクトを支援していく方針です。
最後に
トヨタ自動車は、創業以来、全てのステークホルダーを重視し、社会課題の解決に寄与することを目指してきました。その一環として、2014年に設立されたTMFは、モビリティを通じた社会貢献活動を世界中で展開しています。今後も、CO₂排出量の試算手法による自治体のカーボンニュートラル施策支援に全力を尽くし、持続可能な社会の実現に向けて貢献していくことでしょう。