不安を解消するための新しいアプローチ「ポリヴェーガル理論」に迫る
心の不調を抱える人々に向けて、生活の質を向上させるための新しい理論が登場しました。それが『今度こそ「不安ぐせ」をゆるめる ポリヴェーガル理論』です。著者は公認心理師である浅井咲子さん。この本は、自律神経に基づくメソッドを使って不安を和らげ、心身のバランスを整える手助けをします。
不安とは何か?
不安は、私たちの日常生活においてよくある感情ですが、その原因や影響は実にさまざまです。「心配ごとが次々と出てくる」「SNSやニュースを見ると不安になる」「イライラが収まらない」と感じている方は決して少なくありません。このような〈不安ぐせ〉は、生活の質を低下させる大きな要因となり得ます。-
ポリヴェーガル理論の概要
ポリヴェーガル理論は、ステファン・ポージェス博士によって提唱されたもので、自律神経の働きを3つの神経に分けて捉えます。交感神経と背側迷走神経、そして腹側迷走神経の3つです。この理論を通じて、私たちは自律神経のバランスを理解し、不安を軽減するためのメソッドを見つけることができるのです。
本書の構成
本書は大きく「セオリー」「テクニック」「ワーク」の3つに分かれています。各セクションは、難しい内容をイラストを交えながら親しみやすく説明しているため、理論の理解を助けてくれます。
セオリー
セオリーのセクションでは、ポリヴェーガル理論に関する基本的な知識をわかりやすく解説。難解な用語を極力避け、イラスト図解を使って視覚的に伝える工夫がされています。このセクションを通じて、自分の状態を客観的に捉え、「不安ぐせ」タイプ診断を行うことも可能です。
テクニック
次に、実生活で応用できるテクニックが紹介されます。「眼輪筋を動かす」「相槌は高めの音程で」といった、ポリヴェーガル理論を基にした実践的なアプローチが多く取り入れられており、気持ちが穏やかになったり、緊張が和らいだりする効果を実感できるでしょう。
ワーク
さらには、日常生活の中で手軽に試せる70ものワークが提案されています。「脳幹タッチ」や「太陽を飲み込む」、「仲間と歩調を合わせる」などといった、方法は簡単でありながら、即効性のあるものばかりです。特に、週明けの月曜日に試したいワークを含む、具体的なシチュエーションを想定した内容になっています。これにより、困った時や気持ちが落ち着かない時にすぐ実践できる方法を身につけることができます。
未来への希望
本書は、ただの理論書ではありません。不安から解放された人々の体験談も収録され、このメソッドがもたらす効果を実証しています。「今ここ」に集中することができ、心が落ち着くと感じることで、これまでの心配やイライラから解放される手助けとなるのです。
最後に
不安ぐせに悩む皆さんにとって、ポリヴェーガル理論が新しい光をもたらすことでしょう。自己調整の力を高め、生活の質の向上につなげるため、ぜひ手に取ってみてはいかがでしょうか。心身ともに健康で充実した生活が待っています。