香りと肌の触れ合いがもたらす新たなスキンケアの可能性
株式会社桃谷順天館は、創業139年の化粧品メーカーとして、心身のウェルビーイングを追求し続けています。その一環として、2025年1月より、慶應義塾大学理工学部の満倉靖恵教授との共同研究「香料と皮膚への使用感が精神的・認知機能に及ぼす影響調査」の開始を発表しました。この研究は、香りが心と身体、そして認知機能にどのように影響を与えるかを科学的に探るものです。
共同研究の背景
桃谷順天館は、「人と地球の美しい未来を創るFor Beauty and Well-being」を企業のパーパスとして掲げています。精神的な満足感が求められる現代社会において、医薬品だけでは解決できないニーズが存在します。そこで、同社は2023年2月に「ウェルネスケアラボ」を設立し、口唇裂の手術痕を目立たなくさせる薬用クリームの開発に成功しました。このように、化粧品の領域を超えて、心と身体の繋がりを重視した研究開発を進めています。
研究の詳細
今回の研究では、桃谷順天館中央研究所の調香師が設計した香調が奏でる心地よさについて、詳細に検証します。具体的には、特定の香りを嗅いだ時の心理的影響やその時の脳波を測定し、どのように気分が変化するのかを数値化します。また、「継続して使いたい」といった心理的効果の分析にも着手し、香りのある化粧品が持つ潜在的なメリットを科学的に立証します。
このような試みは、心や身体に良い影響をもたらすスキンケアを実現するために不可欠な要素です。スキンケアがもたらす心地よさは、多くのユーザーが求めている体験であり、その理解が今後の製品開発において重要な役割を果たすでしょう。
満倉靖恵教授の紹介
慶應義塾大学で教授を務める満倉靖恵教授は、リアルタイム感情認識や脳波解析などの研究において著名な専門家です。心理的な健康を見据えた医工連携に積極的に取り組んでおり、精神と身体の健康に直結する新たな価値を創出しています。教授は、桃谷順天館との共同研究に対し、「心に優しいスキンケア」の実現に向けて力を尽くす意欲を示しています。
これからの展望
桃谷順天館の共同研究は、スキンケアを単なる肌の手入れだけでなく、心と身体の両方を満たすものとして捉えています。満倉教授は、香りが毎日のストレスを和らげ、新しいスキンケア体験を提供できる可能性を感じています。今後、ユーザーが心地よい香りに包まれることで、より充実した日々を送れるよう商品開発が進められます。
このように、桃谷順天館と慶應義塾大学が手を組むことで、新たなスキンケアの形が見えてくることでしょう。香りの効果を数値化し、そのメカニズムを解明することで、心と身体のウェルビーイングを実現する製品が生まれる日を心待ちにしたいものです。