生成AIが人事業務の未来を変える
電通総研とテックタッチ株式会社は、2025年8月から生成AIを活用した人事業務支援に向けて共同PoC(Proof of Concept=概念検証)の活動を開始します。この取り組みは、急速に進化する生成AI技術を取り入れ、従来の人事業務を大きく変革することを目的としています。
背景と目的
今日の企業環境において、労務管理や人材育成はますます複雑になってきています。法令改正の対応や属人的な業務の処理、申請・評価の負担は企業にとって頭痛の種です。生成AIは、こうした課題を解決する手段として大きな期待を集めています。今回のPoCでは、電通総研とテックタッチがそれぞれの技術力と経験を結集し、実務現場におけるAIの活用方法を探ります。
PoCの具体的内容
共同PoCにて、主に3つの内容が検証される予定です。まず、電通総研が提供する統合HCMソリューション『POSITIVE』と、業務RAGソリューション『Know Narrator Search』、テックタッチのAIエージェント機能『AI Hub』を連携させます。
1.
申請プロセスの効率性比較
チャット形式による申請プロセスの効率性を、現状のフォーム入力と比較して検証します。
2.
業務書類作成の支援
通知文や社内提出物などの業務書類が、チャット形式でどのように効率よく作成できるかを検証します。
3.
目標・考課入力の支援
人事評価における目標・考課入力に対する生成AIの支援可能性を検討します。
テックタッチについて
テックタッチは、ノーコードでデジタルアダプションプラットフォームを提供する企業で、ユーザーがシステムを効果的に使用できるようナビゲーション機能を実装しています。これにより、従業員がシステム誤入力や誤操作を防ぎ、業務の効率化を実現しています。近年では、AIエージェント機能『AI Hub』のリリースにより、Web上でシームレスに生成AIを活用する仕組みを強化しています。
『POSITIVE』の概要
電通総研の統合HCMソリューション『POSITIVE』は、人事・給与・就業管理から、タレントマネジメント、モバイル対応に至るまで幅広い機能を提供します。これにより企業は、戦略的人材マネジメントを実現し、業務の効率化が図れます。実績としては、3,000社以上に導入されており、高い評価を受けています。
『Know Narrator Search』の特長
この業務RAGソリューションは、社内文書等を生成AIで活用し、必要な専門知識を迅速に抽出します。特に、図表や画像も含めた情報の利用を得意としており、業務データを基にしたより正確で適切な回答を生成することが可能です。
電通総研の企業理念
電通総研は、「HUMANOLOGY for the future」をビジョンに掲げ、システムインテグレーション、コンサルティング、シンクタンクの機能を活用し、企業や社会全体の変革を目指しています。テクノロジーの力を通じてより良い社会の実現をサポートすることを目的としています。
今回のElectric Enterpriseとの連携によるPoCは、人事業務を効率化するだけでなく、企業全体のデジタル変革を加速するための重要なステップとなります。企業は、今後の勤務環境や人事業務のあり方を注視しながら、生成AIの進化を期待することでしょう。