建設業の働き方改革：工期設定と休日取得の新たなデータ
建設業の働き方改革に関する調査結果
令和7年10月14日、国土交通省が発表した「適正な工期設定等による働き方改革の推進に関する調査」の結果は、建設業界における働き方改革の現状を示す重要なデータです。この調査は、建設企業と発注者の休日取得や工期設定の実態を把握することを目的に実施されました。
1. 調査の概要
この調査は、法律に基づく建設業者116団体を対象に行われ、工期設定や休日取得の状況について情報が集められました。調査対象企業は、1,602社の建設業者と66社の発注者が含まれています。調査は令和7年1月1日時点のデータを用いて行われました。
主要な調査項目には、工期設定における協議の有無や工期の適正性、休日の取得状況、働き方改革に向けた取組内容などがありました。
2. 休日の取得状況
調査結果によると、建設企業における「4週8休」を実施している割合は、技術者で28.6%、技能者で29.4%と、前年よりも改善傾向が見られました。特に技術者の「4週8休」率は7.4ポイントも増加しています。しかし、最も多い回答は「4週6休程度」であり、完全な休日取得にはまだ課題が残ります。
3. 残業時間の実態
また、月平均で残業時間が「45時間未満」の企業は、技術者で86.6%、技能者で88.9%となり、大多数の企業が労働時間の適正化に向けた取組を進めていることがわかります。
4. 契約変更と工期の適正化
民間企業の発注者においては、物価変動に対応する契約変更条項を持つ工事が66.1%に達し、前年より10.9ポイント増加しました。このことから、発注者が受注者との契約協議に積極的になっている様子が窺えます。実際に契約変更協議を行った発注者は75.5%となり、前年よりも9.2ポイント増加しました。
5. 結論
調査結果は、建設業における働き方改革が着実に進行していることを示しています。しかし、休日取得の状況には依然として改善の余地があることも事実です。今後も国土交通省はこの傾向を注視し、さらに働き方改革を進めていく必要があります。
詳しい調査結果は国土交通省の公式ウェブサイトでご覧いただけます。
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