円城塔の最新作『去年、本能寺で』がついに登場!
日本の現代文学界でその名を轟かせる円城塔の新作『去年、本能寺で』が、リリースされてからわずか一週間で重版の運びとなって話題を呼んでいます。このスピード感は、まるで戦国時代の秀吉が中国へ駆けつけた「中国大返し」に例えられるほどです。円城塔は、読売文学賞を受賞し、さらには2026年放送予定の『攻殻機動隊 THE GHOST IN THE SHELL』のシリーズ構成や脚本を担当するなど、国内外から注目され続けています。
その最新作のテーマは、日本の歴史を舞台にした壮大な物語です。約4万年前に日本列島に足を踏み入れた人類集団と、そこに混ざる探偵と助手の物語が描かれています。また、黒人初の征夷大将軍・タムラマロが蝦夷の地で残した戦記や、伝説のアイドル親鸞の息子・善鸞が行うツアーレポートなど、歴史の中に様々な人物、出来事をからめた物語が展開します。
名高い武将・織田信長が幾度も転生を繰り返すという設定が、特に注目の的となっています。信長は本能寺で命を落としたはずなのに、その存在感はどこにいっても消えないようで、その回帰の様子が描かれています。これらのストーリーが一つとなり、圧倒的な世界観で読者に迫ります。
話題のルビがSNSで大反響!
この作品のリリース前から、特に注目されていたのが「征夷大将軍」に振られた、斬新なルビ「コマンダーインチーフオブジエクスピディショナリィフォースアゲインストザバーバリアンズ」です。この意表を突く表記がX(Twitter)上で多くの関心を集め、拡散されることで話題になりました。人気書店では販売するや否や在庫が切れてしまう店舗が続出し、人気の程が窺えることとなりました。
戦国SFラプソディの魅力
本作には、他にも精緻な史料解釈と圧倒的な想像力を融合させた作品が目白押しです。信長の物語の他にも、戦国随一の軍事・文事AIと称される細川幽斎が描かれている『幽斎闕疑抄』や、武士坂上田村麻呂と阿弖流為との戦いを描いた『タムラマロ・ザ・ブラック』、伝説のアイドルが描かれる『偶像』など、多彩なストーリーが展開されます。
円城塔に迫る
著者の円城塔は、北海道に生まれ東京大学大学院を修了。2007年には文學界新人賞を受賞し、以来さまざまな賞を受賞し続けています。彼の作品は、どれも素晴らしい才能と独特な視点を持った作品ばかり。『去年、本能寺で』も、彼のクリエイティブなエネルギーが爆発した一作です。
結びに
円城塔の新たな歴史小説『去年、本能寺で』は、戦国時代の日本を舞台に、想像を超えた物語を提供してくれます。まだ体験していない方は、ぜひ一度手にとってその深さと魅力に触れてみてほしいと思います。歴史を新しい角度から楽しむための、絶好の一冊です。